資産が10億円に増えても会社勤めを辞めない理由

00年に投資を始め、17~18年頃総資産額が6000万円台で停滞していた時期もありましたが、ここまで資産は順調に増え続けています。21年に総資産が1億円を突破し、現在の資産は1.7億円に到達しましたが、投資法を確立してからは手法も心理的な面も大きく変わったことはありません。

今後の目標は総資産10億円です。とはいえ、資産が増えても会社を辞める予定はありません。現在は新卒で入ったプライベートエクイティ投資関連の会社は辞めてメーカーに勤めていますが、安定的に収入を得られる先があったほうがいいと思っています。現時点では会社には不満もありませんし、人間関係も良好です。

また、会社員でいることで自然と社会との繋がりがもて、世間で流行っていることがわかります。私の投資スタイルならチャートに張り付く必要もありませんし、私の性格上、むしろチャートは見ないほうが成績はよくなると思っています。常にチャートを見ていたら、自分で決めた「売りの判断」を信じ切れず、感情的に株を売却してしまうかもしれません。

FIRE自体は否定しません。しかし、仕事を辞めたその先の目標がなければ、「あとは死ぬまでただ時が過ぎていくだけではないか?」と思ってしまいます。目標が見つからないうちは、資産が増えても会社員のままでい続けたほうがいいのではないでしょうか。

私の趣味は投資です。だから、1.7億円あっても、そのお金で一番買いたいものは「株」になります。家も賃貸で、車も持っていませんし、海外旅行にも行きません。早くお金を使いたい先を見つけることが、私の今後の課題かもしれません。

※本稿は、雑誌『プレジデント』(2024年9月13日号)の一部を再編集したものです。

(構成=詠 祐真 図版作成=大橋 昭一)
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