遅くとも60代から運動習慣をつけるべき

【中尾】身体を動かせるようにしておくというのは、年を取ってから急に始めたら、やっぱり負担が大きいと思いますね。だから、それを習慣づけるためにはもっと早くから始めたほうがいい。それこそ60代から習慣づけないとダメですよ。

【和田】それはよいと思います。運動にもいろいろあって、ランニングやウォーキングまでいかなくても、散歩で十分効果があると思います。散歩はいろんな景色を見ながらできますから、脳にも刺激があっていいですね。あと、せっかく運動するならば、楽しく身体を動かすといい。ダンスが好きなら、思いきって習ってみるとか、するといいと思う。年を取ってからは怪我の心配もありますから、比較的楽な運動をやるといいでしょう。

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水中ウォーキングもいいと思いますし、階段の下りを意識するのもいい。足の筋肉でも、上り階段に使う筋肉よりも下り階段に使う筋肉のほうが先に衰えやすい。だから、年を取ると階段の下りが怖くなる。そこで下りは手すりを使ってもいいからゆっくり、階段を降りてみる。あとはゆっくりした運動なんかもいいですね。太極拳なんかもとてもいいと思います。

【中尾】こと肉体維持の運動は、特別新しいことをやれということでもないと思いますね。散歩にしろ、階段の上り下りにしろ、億劫がらずに継続することが大事ですね。

年を重ねると自然と酒量は落ちついてくる

【中尾】お酒は飲めるけどもうほとんど飲まなくなりましたね。年を取ると自然と身体が要求しなくなってきました。

【和田】昔から酒豪といわれる人が、年を取るとそうでもなくなる、みたいな話はよく聞きますね。私もだいぶ弱くなりました。以前は外食の際には、ワインも1人で1本くらい飲んでいましたが、今では2人で1本くらいですね。健康的に言えば、2人で1本くらいがいちばんいいとされています。

【中尾】それくらいでしたら今でも飲みますけれども、私たちが若い頃は変に、飲めるということが自慢みたいになっていましたから。一気飲みなんかも流行はやっていました。でもだんだんと次の日に影響するようになってきて、飲むと絶対後悔するので、そこまで飲まなくなりました。

【和田】飲みたいという気持ちは変わっていないのですが、飲んでいるうちにだんだんと眠くなってきたり、だるくなってきますね。

【中尾】若いうちは二日酔いも楽しめるんですけれども、年を取ると後悔することのほうが多いですね。また自分の適量もわかってきますから、それくらいが楽しく飲める。そこで自制心が働けばいい。