保険診療下ではさまざまな限界が存在する
日本は国民全員が医療保険に入る「国民皆保険制度」なので、患者さん側からすると、世界的にみても低コストかつ高アクセスで医療を受けられます。これはとてもいいことです。ところが、医療機関側からすると、国の決めた診療の値段が安く、しかも誰もがいつでも気軽に医療機関にかかれるため、短時間に多数の患者さんを診療しなければ、保険診療での経営が成り立たない仕組みになっています。
中でも一般婦人科診療においては、その傾向が昔から顕著なのです。制度というのはメッセージなので、国が「婦人科診療の担い手を育てる気がない」「効率重視で丁寧に患者さんを診なくてもよい」と言っているのと同じこと。このことを産婦人科医の一人として大変残念に思い、何かにつけて陳情しています。同時に当然のことですが、今の制度下でも少しでもじっくり診療し、診察や処置をラクに終えられるよう尽力しているつもりです。
他の多くの産婦人科医も同じ気持ちだと思います。もしもお気づきのことやご要望がありましたら、医師もしくは受付スタッフや医療スタッフにフィードバックをお願いしたいです。そうすれば誤解が解けることもあるでしょうし、改善することもできるでしょう。よりよい医療のため、ご理解とご協力をお願いできたら幸いです。