「究極の損」を今から回避しよう

リラックス方法を知っていると人生が変わるという理由は、先ほど話したように「実力が発揮できるから」……だけではありません。

緊張し通しで、心をゆるめられない人の「究極の損」は、何だと思いますか?

それは、老後です。皆さんは、高齢者になったときの自分を想像したことがありますか?

現時点で、皆さんのほとんどは、「穏やかな人」だと思います。

周囲の人や事柄に細やかに心を寄せる、やさしい人だと思います。

むやみに騒いだり、怒鳴ったり、争ったりすることも苦手でしょう。

しかしこの先も、ずっとそうでしょうか?

感じやすい心を持っていて、かつ穏やかであるということは、「黙って耐えていることがたくさんある」、つまり緊張がある可能性を意味します。

その緊張をこまめに取り除いたり、そもそも緊張しないメンタルを育てたり、といった対処をせずに、このまま時を過ごしていくと、どうなるでしょうか?

年齢を重ねて自制心が利かなくなったとき、傷つきやすい内面は、どのように表出すると思いますか……?

もしかすると、頑固さや、気難しさや、ワガママさや、ときに「キレやすさ」として出てこないとも限らないのです。世の中には、そんな高齢者の方がたくさんいます。

「黙って耐える」は絶対にNG

感情の起伏が激しく、言わなくても察しろと周囲に求め、それでいて気を遣われると「腫れ物に触るような扱いを受けた」と逆に傷つき、人を遠ざけ、どんどん孤独になっていく……そうした余生は、ちょっと寂しいですよね。

生来のやさしさを、自分にも向けましょう。

自分への厳しさはほどほどにして、心をゆるめる術を身につけましょう。

これからの人生のために、ぜひ今日から、始めてください。

もしあなたが繊細で、かつ動物好きな人なら、ペットに癒やされる生活に憧れているかもしれません。これからペットを飼いたい方は、どんな動物にしたいですか?

西脇俊二『繊細な人をラクにする「悩み時間」の減らし方』(KADOKAWA)

HSPの方におすすめのペットのキーワードは、「マイペース」です。

その動物が本人(?)の世界を持っていて、そこでのんびり過ごしているほうが、飼い主はラク。気を遣わなくていいからです。

その点、犬はマイペースな動物ではありません。飼い主の様子を見て気を遣ったり、逆にワガママになったりと、人どうしの関係に近い部分が出てくることもあります。犬好きの人なら別ですが、初心者には意外と難しいので気を付けましょう。

猫はHSPの人と好相性です。構ってほしいときだけちょっかいを出してくる程度なので、飼い主もマイペースでいられます。

意外なところでは、好き嫌いはあるでしょうが、爬虫類もおすすめです。亀、トカゲ、イグアナなど。私もイグアナを飼っていますが、彼らは無心に、自分の世界を生きています。その様子を見ていると、こちらもゆったりします。ちょっと飼育の手間はかかりますが、見た目さえ苦手でなければ、検討してみても良いのではないでしょうか。

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