7位 豊田兼(21・慶応義塾大)男子400mハードル

フランス人の父を持ち、195cmの長身。恵まれた体格を生かして、110mハードルと400mハードルをこなす。昨年のユニバーシティゲームズでは110mハードルで金メダル(学生世界一)に輝いた。パリ五輪では急成長中の400mハードルで勝負する。昨秋に48秒47、今年5月に48秒36、同6月の日本選手権で47秒99までタイムを短縮。「ファイナル進出」を狙うパリ五輪には大量の味噌汁を持参して向かった。目標達成には準決勝で日本記録(47秒89)の更新が欠かせない。服装にさほど関心はないが、抜群のスタイルで何を着ていてもカッコよく見えてしまう。パリ五輪での活躍次第ではファンが急増するだろう。(予選5日17:05/準決勝8日02:35/決勝10日04:45)

写真=iStock.com/Alexandros Michailidis
※写真はイメージです

6位 佐藤拳太郎(29・富士通)男子400m、男子4×400mリレー

高校時代は天文部に入部。リレー要員を探していた陸上部の友人から誘われて、競技を始めた。400mの選手として頭角を現すと、城西大3年時(15年)に45秒58の自己ベストをマークした。その後は、4×400mリレーのメンバーとして何度も世界と戦った。2022年は早大大学院スポーツ科学研究科エリートコーチングコースで学び、400mのレースパターンを分析。「200~300m区間の速度を上げる」というレーススタイルを確立した。昨年5月に自己ベストを8年ぶりに更新すると、8月のブダペスト世界選手権で44秒77をマーク。日本記録を32年ぶりに塗り替えた。パリ五輪では「決勝進出」を目標に掲げており、日本記録の更新も期待される。加えて、男子4×400mリレーの「メダル」をかけた戦いにも注目だ。(400m予選5日02:05/準決勝7日02:35/決勝8日04:20)(リレー 予選9日18:05/決勝11日04:12)

5位 三浦龍司(22・SUBARU)男子3000m障害

3000m障害で各世代の記録を塗り替えてきた。順天堂大時代はエースとして駅伝でも活躍した。2021年の東京五輪で7位、昨年のブダペスト世界陸上で6位入賞を果たしている。小中学時代に所属していたクラブチームがハードル練習を積極的に取り組んでいたこともあり、障害や水濠を越えるのが非常にうまい。加えて、ラストのキック力で海外勢に引けをとらないのが特徴だ。特にラスト1周は障害をハードリングで越えて、スピードを上げていく。障害のミスでペースダウンする選手もいるだけに、ラスト勝負から目が離せない。自身が持つ日本記録(8分09秒92)の更新だけでなく、上位勢が崩れれば、メダルも見えてくる。ちなみに好きな食べ物は「ピスタチオ」だ。(予選6日02:04/決勝8日04:40)

4位 田中希実(24・New Balance)女子1500m、女子5000m

中学時代から全国トップの実力を誇りながら、順調に成長。実業団選手の経験がある父・健智氏がコーチを務めるようになってから一段と強くなった。そして世界大会での走りが圧巻だ。東京五輪は1500mで日本記録を2度塗り替えて、8位入賞。ブダペスト世界陸上は5000mの予選で日本記録を更新して、同決勝でも8位に食い込んだ。昨季からニューバランスと契約してプロに転向。それまでは父娘マン・ツー・マンでの練習が中心だったが、さまざまなグループの練習に参加して、ケニアでは現地の選手と走り込んできた。趣味は「読書」で同志社大進学以降は、練習日誌と日記を書き続けている。パリ五輪では2種目に出場。5000m決勝の約13時間後に1500m予選を迎える過密スケジュールが待っているが、今回も日本のファンを驚かせる快走を見せてくれるに違いない。(予選6日17:05/準決勝9日02:35/決勝11日03:25)、女子5000m(予選3日01:10/決勝6日04:10)