オリンピックの花形のひとつである陸上競技は日本時間の8月1~11日に行われる。チームジャパンは昨夏のブダペスト世界選手権でメダル「2」を含む入賞「9」という過去最高成績を残しており、今夏の期待値も大きい。
陸上をメインに取材している筆者が、是非観てほしいアスリート10人(13競技)をランキング形式で紹介しよう。(※競技スケジュールは日本時間)
10位 小山直城(28・Honda)男子マラソン
昨年10月のMGCで優勝。真っ先にパリ五輪代表内定を勝ち取ったが、東京農業大学時代は故障が多く、苦労した選手だった。2年時に関東学生連合の一員として箱根駅伝4区(区間10位相当)を走るも、チームでの出場はかなわず、その「悔しい思い」をバネに実業団で成長した。応用生物学部醸造科学科で発酵食品などを学んだ経験から、「試合前のエネルギー対策に役立つ」とレース前日にヤクルトやR-1で乳酸菌類を摂取するのがルーティン。パリ五輪では、「とにかく無駄なエネルギーを使わないようにして、後半は落ちてくる選手を拾っていくようなかたちで入賞ラインを目指していきたい」と意気込んでいる。(10日15:00)
9位 前田穂南(28・天満屋)女子マラソン
大阪薫英高時代は全国高校駅伝の補欠選手だったが、実業団でマラソンの才能が開花する。2019年のMGCを制して、東京五輪の女子マラソンに出場した。しかし、本番では33位に沈み、2023年のMGCも7位と振るわなかった。シューズを薄底から厚底に変更して、今年1月の大阪国際女子マラソンで日本記録を19年ぶりに塗り替える2時間18分59秒(アジア新記録)をマーク。2度目の五輪でメダルにどこまで近づけるのか。名前の由来はドラマ『東京ラブストーリー』のヒロイン役だった鈴木保奈美。趣味は「美容を追求すること」だけに、パリの街を美しく駆け抜けるだろう。(11日15:00)
8位 鵜澤飛羽(21・筑波大)男子200m
男子200mで日本選手権を連覇。昨年のブダペスト世界選手権に続いて、世界大会に出場する。高校2年時のインターハイでスプリント2冠を達成。200mでは追い風参考記録ながらサニブラウン・アブデル・ハキームが保持する高校記録(20秒34)に迫る20秒36(+2.1)を叩き出した逸材だ。大学1年時に左ハムストリングスに重度の肉離れを起こしたが、世界と対峙する実力を身につけた。自己ベストは日本歴代8位タイの20秒23。趣味は「漫画とアニメ」という“アニヲタ”でもある。パリ五輪の目標を「最低でも決勝進出」と語っている鵜澤。スタート前のレーン紹介では、お気に入りアニメのポージングを披露するかもしれない。(予選6日02:55/準決勝8日03:02/決勝9日03:30)