実は東大生は、インプットだけではなく、アウトプットを意識してノートを取っています。ここでのアウトプットとは、試験問題を解いたり、誰かに説明したりすることです。

例えば、試験の直しをしているときに、「この問題の解答はこれだったのか、やったはずなのに」と思った経験はありませんか? インプットした知識は、試験や人への説明の場など、必ずアウトプットする機会が訪れます。

そのようなタイミングで、完璧にその知識を使いこなすことができなければ、インプットの意味はありませんよね。覚えた知識を自由自在に頭の中から取り出して使える状態を意識して、ノートを取ることが大事なのです。

3つのノートが頭をよくしてくれる

ノートやメモを取る行為に関しては次の3つの手法があります。

1.メモノート
これは分解・整理を目的としたノートのつくり方です。
2.インプットノート
これは記憶・暗記を目的としたノートのつくり方です。
3.アウトプットノート
これは理解・定着を目的としたノートのつくり方です。

議事録などのちょっとした軽いものをメモする時には1つ目のメモノート、いろいろなものを覚えなければならないときのノートならば2つ目のインプットノート、自分の中でしっかりと定着させたいと思っているのであれば3つ目のアウトプットノートを活用することがおすすめです。

①メモノート:情報を分解・整理する

情報が整理できていないときに作るのがメモノートです。そして、情報を整理する時に必要なのが分解という工程です。

分解することで、整理できてわかりやすくなるのです。「分かる」とは「分ける」ことでもあります。何かを理解するためには、分解することが必要だから「分かる」という字には「分ける」の「分」という感じが使われているという説もあります。

これが真実かどうかはわかりませんが、たしかに「分かる」と「分ける」は本質的には同じものです。自分が理解できる大きさになるまで分解することで、物事を理解できるようになります。

どれだけ大きな情報であっても、長ったらしい文章であっても分解すればいつかはわかるようになります。そういう意味で整理とは分解のことである、分解できれば頭も整理されるのです。

情報をわかりやすい大きさまで分解し、頭を整理することで理解できるようなノートの取り方をするのがメモノートなのです。

筆者提供
メモノートの例。化学の用語を整理して書いている。色分けしているところも見やすく覚えやすい。