②インプットノート:記憶と暗記で、頭に残りやすいようにする

ノートに整理する時に覚えやすくするための工夫をすることで、物事は覚えやすくなります。頭に残りやすいように、そして忘れないように物事を整理できるようになるのです。

記憶力がいいから物事を覚えられるのではなく、基本的には整理の仕方がうまいから記憶することができるのです。

情報をうまく整理することで記憶量を増やすノートの取り方をするのがインプットノートです。

「Q&A」への言い換えは、有効なインプットノート術です。教えられた情報に対して「なんで?」と思うのは、その情報の裏側にあるもの、あるいは意図が分からないから。

「Q」を作ることで、「そういう意図だったのか」「そういう背景があったのか」と理解が深まり、「A」の情報がより覚えやすくなります。また「A」を忘れてしまっても、「Q」を覚えていれば「A」を思い出しやすい、という利点もあります。

インプットノートの例
筆者提供
「Q&A」に書き換えるのは非常に有効なインプットノート術。「Q」を作ることで理解が深まり、「A」の情報がより覚えやすくなる。

③アウトプットノート:理解と定着を促し、情報を自分のものにする

これはインプット、つまり情報を覚えたり暗記したりすることの一歩先に進んで、自分なりに解釈して、深く理解することを差します。

たとえば本の内容を自分も使えるようになりたいと思ったら、どうしますか? 重要なのは「要約」することです。要約とは、いろいろな情報を削ぎ落して、本当に重要な部分のみを抜き出して「一言で言いまとめる」行為のことです。

それが文章であれば相手が一体何を言いたいのかを考えてひとつにまとめていく作業のことを指します。このとき重要なのは「自分にとって」重要だと思ったポイントを抜き出さなければならないことです。

他人ではなく、自分自身がここで重要である、と思ったポイントを抜き出さないと結局あとから自分で整理することはできないのです。

自分なりに要約して、理解し、その情報を自分の中で定着させていくノートの取り方をするのがアウトプットノートなのです。

アウトプットノート例
筆者提供
勉強したことを自分の言葉で「再現」する、自分の言葉でまとめているのがポイント。単語の意味を書くだけでなく、対義語を書くことで両方頭に入る。

黒板を書き写すだけが勉強ではない

「分解して整理するメモノート」「覚えやすい形にするインプットノート」「自分なりに解釈して深く理解していくアウトプットノート」。この3種類の使い分けをしっかりと理解してノートをとっていくことで情報を「咀嚼」するためのノート術が活用できます。

ノートを上手に作ることができれば、頭の中を整理して、あとから見直すときにもきっと効果が出るようになる。ノートこそが、頭のよさの源泉なのです。

夏休み中に、学校の授業を「咀嚼」するためのノート術を、ぜひ実践してみてください。

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