どうすれば「頭のいい人」になれるのか。現役東大生の西岡壱誠さんは「授業中に一生懸命ノートをとったり、人の話をメモしたりしても頭はよくならない。東大生の多くは授業中ではなく、『授業後』にノートをとっている。頭のいい人になるヒントはここにある」という――。
テストを受ける生徒たち
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ノートやメモを一生懸命取っても、頭がよくならない

授業・講座の最中や相手の話をメモやノートを取りながら聞く人は、勤勉でとても成績が上がりそうなイメージがありますよね。でも実は、東大生の多くは、人の話を聞いている時にはあまりメモやノートを取らないのです。

なぜ取らないのか? それは、ノートやメモを一生懸命取っても、頭がよくならないからです。

おそらく多くの人は、すべての情報をノートに取ろうとすると思います。先生が黒板に書いたことはすべて書き、先生が言ったことは一言一句ノートやメモを取ろうとする場合が多いでしょう。

しかし、そうやってすべての情報をまとめようとすると、メモやノートを取ることに時間がかかってしまって、頭の中には何も残っていない場合があります。

メモやノートを取ることに必死になって、「さっきはどんな授業だったのか?」と聞かれても、メモやノートには残っているけれど、まるでメモやノートに情報が吸い出されたかのように、頭の中からは綺麗さっぱり無くなっているということが多発してしまうのです。

「自分の言葉で言い換えたノート」が効果的

この状態をもう少し詳しく説明しましょう。例えば、「日本では少子高齢化が深刻化している」ということを先生が話をしていたり、黒板に書いていたとします。それをノートにそのまま「日本では少子高齢化が深刻化している」と書き写したとします。この時、頭を使っていると言えるでしょうか?

おそらくこれって、YouTubeの音声を聞きながらでも、全然違うことを考えながらでも、ノートに書き写すことが簡単にできてしまいますよね。ということは、当たり前ですが、この状況だと「脳を全く使っていない」のです。ただ写真を撮っているのと同じ、録音しているのと同じなのです。

では、どうすればいいのか? まず、授業や相手の話を聞く時には、しっかりと「何が重要なのか」を見極めましょう。

例えば、子供が先生から「きちんと担任の先生には挨拶するのよ?」と言われて、「わかった! 担任の○○先生には挨拶するけど、他の先生には挨拶しなくていいんだね!」と考えるのは間違っていますよね。「担任の先生をはじめとする『目上の人』には挨拶をするべきだ」と言いたいのではないか、ということを解釈しなければならないのです。

具体的な例を聞きながらも、抽象的な部分のメモを取って、相手の言いたいことを理解できるように、「本当に何が言いたいのか」を考える習慣を身につける必要があります。

その上で、授業が終わった後に、「自分の言葉で言い換えたノート」を作ると頭の中に残りやすくなります。