“つまり・たとえばゲーム”を一日一回はやる

今のやりとりを正反対にし、「家具って、たとえばどんなもの?」などとすれば、具体化の練習になります。

子どもからの訴えにしても、「あ~あ、今日、いやなことだらけだった」などと抽象的にしか言わない子には、「たとえば?」と問えばいいわけです。

もちろん、話したがらない場面もあるでしょう。そうなりそうなときは、先手を打ちます。

「“つまり・たとえばゲーム”を一日一回はやることにしよう」とあらかじめ合意しておくのです。それだけのことで、「面倒だな」と感じさせずに済むはずです。

写真=iStock.com/Andrzej Rostek
“つまり・たとえばゲーム”を一日一回はやる(※写真はイメージです)

子どもにも向上心は必ずあります。続けるうちに自分の思考力が徐々に高まるのを実感すれば、子どものほうから“ゲーム”を始めるようになることでしょう。

「書きかえ力」が不足している

日々子どもたちに文章指導をしていて痛感するのは、子どもたちの“書きかえ力”不足です。

ここで言う“書きかえ力”とは、「甘い感じ」を「甘み」にする、あるいは、「カエルが泳いでいる」を「泳いでいるカエル」にするといった程度の、単純な「名詞化」の力です。

「名詞化」は、「言いかえる力」のひとつです。

ただし、ここでの「名詞化」には抽象度の変化がありませんから、単なる“書きかえ”に近い技術であると言えます。

さて、まずは、「甘み」の類題から見ていきましょう。