相手のレベルは高すぎても低すぎても良くない
しかし、ピア効果にも注意は必要です。ピア効果を得るには、仲間が「同レベル」であることが条件となります。
レベルが高い相手だと、「最初からあきらめてしまう」負のピア効果が働き、レベルが低いと「手抜き」をしてしまう負のピア効果が働くからです。
一緒に仕事をする際は、「誰とするか」の選定も大切な要素というわけです。
最近は、リモートワークも日常化してきていますが、集中力を高めるために、あえて職場で仕事をすることも一考してみてください。
また、お互い違う場所で仕事をする際は、一定時間ごとに”進捗を共有”し合うのも効果的です。
私も営業時代は、よくやっていました。「他の仲間もがんばっている」と思えば、多少の辛さは乗り越えられたものです。
ぜひ、1人でがんばれない時は、仲間のチカラを借りてみてください。
想像するだけで意志が強くなる
ピア効果を得にくい環境の人もいるはずです。
「同レベルの同僚がいない」「ずっと1人で作業する環境」ということもあるでしょう。だとすれば、想像するだけでもOK。
「同じテーマに取り組んで、成功している人のことを想像する」
「理想の取り組み方をしている人のことを想像する」
これだけでも、効果があることがわかっています。
スタンフォード大学のケリー・マクゴニガルは、こう述べています。
「自制心の強い人のことを想像するだけで、自身の意志が強くなる効果がある」と。
これを聞くとある受験生の逸話を思い出します。
その受験生には、気になる“がんばり屋”の同級生がいました。
「あの人に追いつきたい」と思う、そんな存在です。でも、一緒に勉強する間柄ではなかったそうです。
そこで、彼女がやったことが、まさに「想像する」だったのです。
「きっと、あの人は22時までは勉強をしているはず」「きっと、あの人はテストに向けてこの箇所を入念にしているはず」と思いながら、自分を奮い立たせていたと言います。
ピア効果が得られない時は、このように「想像」をするだけでも、効果があるのですから、やらない手はなさそうです。