着手する前に「いつ」「何を行うか」まで決める

ニューヨーク大学の心理学者、ピーター・ゴルヴィツァー教授は、行動レベルで「いつ、何を行うか」を事前に計画すれば、目標達成(完遂)率が40%も上がるとの発表をしています。

「月曜にネットで調べ」たら、すぐに「先輩に教えを乞う」。

「教えを乞う」たら、すぐに「企画書の作成に着手」。

このように、1つのタスクを完了させた瞬間、「次に何をしよう」と考えずとも、ドミノ倒しのように、次のタスクにすぐさま着手できるようになるからです。

まず、普段からアクションを起こす前に、「いつ」までに達成するのかを決めるのはもちろん、「何をする」といった実行レベルまで決めてみましょう。

「聞いているようで、聞いていない」のメカニズム

会議で話を聞きながら、チラチラとメールをチェック……。

資料を作成しながら、今日の予定の確認……。

忙しい時、つい同時並行でやってしまうことはないでしょうか。

だとしたら、注意が必要です。

テキパキとこなしているようで、むしろ効率が悪い仕事の仕方の典型であることを理解しておきましょう。

われわれの脳は、ワーキングメモリの容量が小さいため、「1つのこと」しかできない仕様になっています。そのため、同時に2つのことをすると、キャパオーバーになり、次の状態に陥ることが検証で得られているのです。

・ミスの確率が高くなる。
・仕入れた情報を活かす能力(「知識の転移」と言われる)が低下してしまう。

たしかに、会議でメールをチラチラとチェックしている途中で、司会者から「疑問点はありますか」と聞かれても、「今は大丈夫」と返事をするくらいはできるでしょう。

でも、「どのように現場で活かせそうですか? 2つくらい、アイデアをもらっていいですか?」と求められたら、とても対応できないでしょう。

これこそが、集中できていない証拠なのです。

だからこそ、しっかりと集中するためには、同時並行でやりたくなる衝動を抑えて、「シングルタスク」を徹底させることが必要になります。

白状しますと、こんなことがあったばかりです。

朝食をつくりながら、音声(オーディオブック)で日経新聞のニュースを聞いていた時、私のお客様のニュースが流れてきたのです。無意識だったのですが、そのニュースに集中してしまったのでしょう。焼いていた魚が丸焦げになってしまいました。