※本稿は、安田修『仕事と勉強にすぐに役立つ「ノート術」大全』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。
管理できないタスクはストレスのもとになる
社会人になったばかりの頃の私は、ノートも付箋も使わず、メモすらとっていませんでした。大学生まではそれで何の不都合もありませんでしたし、ノートなどなくても仕事はこなせると考えていたのです。
いわれたことを覚えておいて、重要なことからやればいい。マルチタスクといっても同時に上司から指示される仕事なんてせいぜい2つか3つ、それを忘れることなんてあり得ない、と。
そのやり方は、社会人として働き始めるとあっという間に破綻しました。覚えておかないといけないことがとにかく多いんです。
タスクは上司からの指示だけではありません。長期間に渡る複数のプロジェクトに組み込まれ、それぞれの作業に締め切りがあり、議事録や会議室予約などの細々したこと、同僚やお客さまからのちょっとした頼まれごとが発生し、そうしている間にもメールが届き、電話が鳴ります。
ぎりぎり覚えておける量だとしても、残りは何をしないといけないのかと考えながら一日を過ごすのはストレスで、翌日に持ち越す仕事のことを帰宅しても考え続け、イライラしていました。週末もゆっくり休めず、「世の中は、思っているより複雑なんだな」と意気消沈していました。
PCに貼る付箋は3枚まで
必要に迫られてタスクや仕事のポイントをノートにメモするようになった私は、あるときから付箋を使い始めます。
やらないといけないこと、つまりタスクを1つずつ付箋に書いて、パソコンの画面などに貼るようになりました。
タスクが終わったら剥がして捨てる。これでもう忘れることはないだろうと。ただ、このやり方だと、付箋が無限に増えるのです。そして「いつまでも剥がれない付箋」、つまり先延ばしされて終わらないタスクが出てきます。付箋の存在自体がストレスになってきます。
パソコンの画面に付箋が表示されるアプリケーションを使っていた時期もありましたが、このストレスはほとんど変化しませんでした。