Googleマップのクチコミが当てにならないワケ

開業医選びにはホームページを参考にしてくださいと述べました。では、ネットの情報、いわゆるクチコミは参考になるのでは、と多くの人が思うでしょう。

松永正訓『患者の前で医者が考えていること』(三笠書房)

ネットのクチコミで最も投稿数が多いのは、Google Mapへの書き込みです。

まず手始めに、自分のクリニックを見てみましょう。22個の投稿があり、平均の評価は5点中、3.6点です。低いですよね。中身をよく見ると22個のうち6個が星一つで、これが全体の評価を下げています。

でも、よく考えてみてください。私のクリニックには年間1万6000人から1万9000人の患者さんが来ます。開業して18年が経ち、これまでに延べ30万人近い患者家族がお見えになっています。このうちのわずか6人が星一つをつけたからといって、それが全体の声を反映していると言えるでしょうか? 私は、こういうものを信じてクリニックや病院を選んでは絶対にいけないと思います。

「医師からの注意」を逆恨みしているケースがほとんど

クリニックには実に様々な人がきます。中には開業医を見下すような態度を取る人もいますし、こちらが事前に電話でお願いをしておいたことを守ってくれない人もいます。医療は接客業ではありませんし、患者さんをたくさん集めようとサービス合戦をするようなところでもありません。ルールを守ってもらえない人には、やんわり注意することだってあります。

これはどのクリニックでも共通して言えることですが、クチコミの多くは、医療の内容に関してよりも、接客が悪いというクレームです。

こういうクチコミの投稿は、そのクリニックを正しく評価しているでしょうか。ほかの患者家族の参考になったり、クリニックの改善に役立ったりするでしょうか。私にはこういう投稿は、スタッフに注意された患者家族の腹いせにしか見えません。悲しいことです。

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