「消臭力」のことばかり考えていたエステー時代

「見られる工夫」についてもう少し掘り下げていきましょう。

私はエステー時代、連日「消臭力」のことばかり、朝から晩まで考えていました。

しかし、皆さんはどうでしょうか。1日の生活の中で、消臭力のことを思い浮かべることはありますか?

答えは「ノー」ですよね。それが当然だと思います。

私たちは普段、ごく普通に生活しています。朝起きれば、時間通りに出勤しなくてはならず、寝坊して朝食を食べそびれた日には、「どこで朝食をとろうかな」と思いながら電車に乗り込み、ぼんやりとスマホをいじったりもするでしょう。

通勤途中のコンビニで飲み物を買い、会社に着いたらデスクでメールを確認する。そうこうするうちに朝の仕事がはじまり……と、あっという間に1日が経ってしまいます。

「生活の中にお邪魔させていただく」という意識を持つ

こうした日常の中で、私たちが届けたい商品やサービスのことを思い出す瞬間は、基本的にはありません。

だからこそ、「私たちはお客様の生活の中にお邪魔させていただく」という意識を持ち、さまざまな日常の場面に登場する必要があります。

いろんな接点を利用して、日々の暮らしの中にお邪魔させてもらうわけです。

写真=iStock.com/svetikd
「生活の中にお邪魔させていただく」という意識を持つ(※写真はイメージです)

ここでの接点と接点にはきちんと、意味のあるつながりを持たせてこそ、お客様の心に留めてもらえるようになります。