毎週、振り返りを続けることで「見えてくるもの」

では、何に着目して抽象化すればいいのでしょうか?

木にたとえてみましょう。まずは、葉っぱにあたる部分(自分の状態、気になっていること、大切な人)が見えてきて、徐々に幹の部分(関心、強み、思考・行動パターン)が見えてきて、根っこの部分(パターンを生み出している信念や固定観念、望み)にたどり着きます。

8つの項目に分けて、それぞれ事例とともに説明しますが、毎週8つの項目すべてを書き出す必要はありません。最初の3カ月は葉っぱが見える期間だと思って①~③を振り返ってみてください。3カ月~6カ月経って振り返りに慣れてきたら④~⑥を、6カ月以上経ったら⑦~⑧を振り返ってみてください。

抽象化を深めていくには、振り返りの蓄積が必要になります。

特に、幹と根っこは、1週間の記述の中から見つかるというよりも、毎週の振り返りを続けている内に、振り返りの蓄積ができて、徐々に抽象度の高いものが見えてきます。

今回は、最初に取り組む①~③について解説していきましょう。

自分を客観視して「言語化する習慣」を持つ

①自分の状態

今週の自分の状態はどうだったでしょうか?

頭と心と体、それぞれに着目してみましょう。言語化に慣れていない間は、「今週はちょっと疲れてたな」「よく頑張った1週間だった」くらいの振り返りでも大丈夫です。自分の状態に気づけることは、自己理解の第一歩になります。まずは自分を客観視して、言語化する習慣を持つことが大切です。

今週はいい感じで仕事がはかどった。時間管理をやめて、タスクをリスト化したタスク管理方法の方が動きやすいのかも。

家族の旅行の予定を立てたら、みんな喜んでくれて、エネルギー満タンで1週間を過ごせた。こういう楽しい予定は年に何回か入れたいな。

毎日の記録がすべて説明調で、感情表現が乏しいことに気がついた。感情が、鈍くなっているのかもしれない。もう少し敏感になってみよう。