タピオカ屋は唐揚げ屋、マリトッツォの店、焼き芋の店になった…

最後にご紹介したいのが、第11位の『タピオカ屋はどこへいったのか?』。約1万社の「儲けの仕組み」を垣間見てきた敏腕税理士、菅原由一さんが、私たちの知らないビジネスの裏側を見せてくれる一冊です。

菅原由一『タピオカ屋はどこへいったのか?』(KADOKAWA)

一時は街中にあふれていたタピオカ屋。今となってはほとんど残っておらず、たまに見かけたとしてもチェーン店のみです。さて、あなたは書名の「タピオカ屋はどこにいったのか?」という問いになんと答えますか?

正解は“ある店は唐揚げ屋に、ある店はマリトッツォの店に、またある店は焼き芋の店になった”。イニシャルコストを抑え、ブームの間に投資を回収し、ブームが去ったら即座に撤退する――。消えたタピオカ屋はこのように、時代の変化を見ながら賢く看板を変え、儲けを生み出しているのです。

このほかにも「立ち飲み屋はなぜ若い女性客が多いのか?」「ラーメン屋はなぜ麵の硬さが選べるのか?」「コロッケ1個80円のお肉屋さんはどうやって儲けているのか?」など、気になる問いとその答えが満載の本書。誰かにシェアしたくなる豆知識がほしい人から、ビジネスのヒントを求める人まで、幅広く楽しませてくれること間違いなしです。

今月も、統計学から会食の作法、アンガーマネジメントまで、幅広いジャンルの本がランクインしました。また、先月第1位だった『ユニクロ』が第12位、第16位だった『「先延ばしグセ」が治る21の方法』が第19位と、依然として多くの方に読まれています。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。

関連記事
ユニクロ柳井氏のあだ名は「寝太郎」だった…最初の会社を9カ月で辞めた無気力青年が世界的企業をつくるまで
粗悪品だから安いのではない…サイゼリヤが「ミラノ風ドリア」を税込300円で出せる本当の理由
「半年に1回しか売れない本」が山積みになっている…日本の書店がアマゾンに侵食された根本原因
企業の「しかたがない」は、お客には関係ない…松下幸之助が「開発中の超薄型ラジオ」に激怒したワケ
これだけは絶対にやってはいけない…稲盛和夫氏が断言した「成功しない人」に共通するたった1つのこと