管理職として働くことは「罰ゲーム」になりつつある

第2位は『罰ゲーム化する管理職』でした。

小林祐児『罰ゲーム化する管理職』(集英社インターナショナル)
小林祐児『罰ゲーム化する管理職』(集英社インターナショナル)

パーソル総合研究所上席主任研究員である著者、小林祐児さんは本書の冒頭で“今、管理職として働くことは「罰ゲーム」と化しつつある”と指摘しています。おそらくビジネスパーソンの多くが、同じような感覚を抱いているでしょう。

実際、パーソル総合研究所の国際調査によると、日本における「管理職になりたいメンバー層の割合」は21.4%で、他の国に大差をつけて最下位。多くの企業が次世代リーダー育成に課題を抱えています。自ら罰ゲームの中に身を投じたい人などいないのですから、当然の結果だといえるかもしれません。

著者は本書で、管理職の「罰ゲーム化」を修正するためのアプローチを4つ紹介しています。

(1)フォロワーシップ・アプローチ:管理職の部下であるメンバー層へのトレーニングを増やすアプローチ
(2)ワークシェアリング・アプローチ:管理職の役割を変更したり共有したりすることで、全体の役割や業務量を調整するアプローチ
(3)ネットワーク・アプローチ:管理職同士のネットワークを構築し、社内に相談し合える相手がいる状態をつくるアプローチ
(4)キャリア・アプローチ:会社の昇進構造や選抜の在り方を変更するアプローチ

さて、あなたの組織はどのアプローチから着手しますか?

「4つの時間」を意識して時間の使い方を変える

第3位には『このプリン、いま食べるか? ガマンするか?』がランクインしました。著書『パン屋ではおにぎりを売れ』『バナナの魅力を100文字で伝えてください』でも知られる柿内尚文さんが、「後悔しない時間の使い方」をテーマに上梓した一冊です。

柿内尚文『このプリン、いま食べるか? ガマンするか?』(飛鳥新社)
柿内尚文『このプリン、いま食べるか? ガマンするか?』(飛鳥新社)

柿内さんは本書で、すべての時間は以下の4つに分けられるとします。

(1)幸福の時間:やりたいこと、喜びを得られることをして幸せを感じる時間
(2)投資の時間:目的のために努力している時間
(3)役割の時間:やらなければいけないことをしている時間
(4)浪費の時間:無意識に過ごしてしまうムダだと感じる時間

この「4つの時間」を意識して、時間の選び方を変えていこう――。これが本書のメインメッセージです。

例えば、ダイエット中に立ち寄った喫茶店で、好みのプリンを見つけたとします。ちょうど小腹が空いたタイミング。食べたい。でもダイエットは必ず成功させたい――。さて、あなたはプリンを食べますか? それともガマンしますか?

一瞬の幸せを優先してプリンを食べるなら、その時間は「幸福の時間」になります。一方、「ダイエットを成功させたい」という思いからガマンするなら、「投資の時間」を選んだことになるでしょう。

時間の使い方で迷ったら、4つの時間を思い浮かべながら決断しましょう。4つの時間の配分を考えながら、自分の理想の「時間のポートフォリオ」に近づけていくイメージです。

なお柿内さんは、人生で一番大切にすべきは「幸福の時間」を増やすことだと言います。あなたにとって「幸福な時間」とは何でしょう? 本書を読んで、後悔しない時間の使い方について考えてみませんか。