毎月、新たに発売されるビジネス書は約500冊。いったいどの本を読めばいいのか。読書家が集まる本の要約サービス「flier(フライヤー)」で、5月にアクセス数の多かったベスト20冊を、同サービスの編集部が紹介する――。
富士山を背にしたユニクロの店舗看板
写真=iStock.com/Kokkai Ng
※写真はイメージです
第1位:『ユニクロ』(杉本貴司著、日経BP)
第2位:『いつのまにか億り人になれる超マネーハック』(品田一世著、KADOKAWA)
第3位:『君はなぜ働くのか』(永松茂久著、フォレスト出版)
第4位:『天才読書』(山崎良兵著、日経BP)
第5位:『科学的根拠に基づく最高の勉強法』(安川康介著、KADOKAWA)
第6位:『ストレスゼロの生き方』(Testosterone著、きずな出版)
第7位:『生成AIで世界はこう変わる』(今井翔太著、SBクリエイティブ)
第8位:『職場問題グレーゾーンのトリセツ』(村井真子著、アルク)
第9位:『新版 「空腹」こそ最強のクスリ』(青木厚著、アスコム)
第10位:『アタマがよくなる「対話力」』(国山ハセン著、朝日新聞出版)
第11位:『自信』(加藤諦三著、三笠書房)
第12位:『人生が整うマウンティング大全』(マウンティングポリス著、技術評論社)
第13位:『仕事の辞め方』(鈴木おさむ著、幻冬舎)
第14位:『世界は経営でできている』(岩尾俊兵著、講談社)
第15位:『余白思考』(山﨑晴太郎著、日経BP)
第16位:『「先延ばしグセ」が治る21の方法』[デイモン・ザハリアデス著、弓場隆(訳)、ディスカヴァー・トゥエンティワン]
第17位:『なぜか人生がうまくいく「優しい人」の科学』(和田秀樹著、クロスメディア・パブリッシング)
第18位:『急成長を導くマネージャーの型』(長村禎庸著、技術評論社)
第19位:『つい、「気にしすぎ」てしまう人へ』(水島広子著、三笠書房)
第20位:『新装版 幸せがずっと続く12の行動習慣』[ソニア・リュボミアスキー著、金井真弓(訳)、渡辺誠(監修)、日本実業出版社]

※本の要約サービス「flier」の有料会員を対象にした、2024年5月の閲覧数ランキング

構想6年、完成まで3年かかった「ユニクロの物語」

今月の第1位は『ユニクロ』でした。日本経済新聞編集委員の杉本貴司さんが、柳井正さんとその仲間たちが歩んできた道のりをまとめた一冊です。

杉本貴司『ユニクロ』(日経BP)
杉本貴司『ユニクロ』(日経BP)

家族経営の紳士服店を世界のユニクロへと育て上げた柳井正さん。学生時代から向上心のある人物だったのだろうと思う人も多いでしょうが、実際はそうではありませんでした。大学生時代の柳井さんは非常に無気力な青年で、下宿先の大家さんから「寝太郎」というあだ名がつけられるほどだったといいます。

就職活動では鳴かず飛ばず。見かねた父の斡旋でジャスコに入社し、紳士服売り場に配属されましたが、わずか9カ月で退職してしまいます。その後、父が経営していた家族経営の紳士服店、小郡商事を継ぎました。

ところが、柳井さんが入社してわずか半年で、古参社員たちが一人また一人と去っていきます。残った社員は4歳上の浦利治さんだけ。柳井さんと浦さんはふたりで再スタートを切り、波乱万丈を経験しながら、小郡商事を世界のユニクロへと育て上げていきます。

著者の杉本さんは本書について、「構想から6年余り。実際に着手してから完成までに3年近くを要しました。波瀾万丈のユニクロの物語を約500ページに詰め込みました」と語っています。あなたもぜひ、この濃厚な物語をゆっくり味わってみてください。