「サイゼリヤの料理は、まずくて高い」創業者が口にする理由

続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。第8位は『サイゼリヤの法則』でした。サイゼリヤ創業者の正垣泰彦さんが、サイゼリヤを立ち上げ、育てていく過程で見出した成功法則をまとめた一冊です。

正垣泰彦『サイゼリヤの法則』(KADOKAWA)

冒頭に登場するのは「サイゼリヤの料理は、まずくて高い。あんなまずいものを出してしまって、お客様に申し訳ない」という衝撃的なフレーズ。

著者がこの衝撃的なフレーズを口にする理由は、サイゼリヤの料理をさらにおいしく、さらに安くするため。創業者であり、代表取締役会長でもある著者が「サイゼリヤの料理は最高だ! 安くておいしくて申し分がない」と言うと、従業員たちは現状に満足してしまうかもしれません。著者を含む社員みんなが「サイゼリヤの料理は、まずくて高い」と捉えているからこそ、より「安くておいしい」サイゼリヤへ近づくことができ、お客様を喜ばせられるのだといいます。

またサイゼリヤでは、「一番難しくても、一番喜んでもらえることをしよう」という気概で、断続的に値下げを敢行してきました。

特に心がけてきたのは、さほど売れないものを安くするのではなく、すでに何度も値下げと改善を経てきた人気商品をさらに安くおいしくすること。その代表例が、大人気商品の「ミラノ風ドリア」を、上場を機に480円から290円に値下げしたことです。結果、売上数量は約3倍になり、お客様の数も激増しました。

サイゼリヤが愛され続ける理由を知れる本書。業種・業界を問わず、多くのビジネスパーソンにおすすめします。

大手広告代理店の若手が教える「ビジネス会食成功術」

第10位の『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』にもご注目ください。

yuuu(ユウ)『ビジネス会食 完全攻略マニュアル』(ダイヤモンド社)

本書は、メディアプラットフォーム「note」で異例の30万PVを達成した『若手のうちに絶対身に着けたい「ビジネス会食完全攻略マニュアル」』を書籍化したもの。新卒で大手広告代理店に入社し、最大28回/月の会食を経験したyuuu(ユウ)さんが、ビジネス会食を成功させるために必要な情報を惜しみなく教えてくれる一冊です。

yuuuさんによると、ビジネス会食において最も重要なのは「自分がクライアントをどれほど大切にしているかを伝えること」。その前提のもとで、会食の目的を「相手と仲良くなる」ではなく「仲良くなった先に何を達成したいかという目的の設定を徹底する」とすることを推奨しています。

またyuuuさんは、お店を予約したら、事前に下見をするべきだと言います。下見のチェックポイントは以下の4点です。

・駅からのアクセス、最寄りの出口
・タクシーをつかまえやすい場所
・上座と下座
・喫煙できる場所

あわせて、衛生面、お手洗い、BGM、店員の立ち居振る舞い、電波状況などもチェックしておきましょう。

本書にはこの他に、事前準備の重要性や店選びの勘所、当日の話題運びに加え、「ハズさない店リスト」も収録されています。本書を味方につければ、仕事がうまくいくだけでなく、上司や同僚からの見られ方も変わり、会食が楽しみになるでしょう。