入社前の期待度がわかる「内定後のリクエスト」
転職エージェントも、レベル3の現場の責任者やレベル4の経営層にヒアリングしたくてもできないケースがあります。
たとえば、大企業です。もしくは、レベル2の現場担当者に大きな裁量権を持たせていたり、部門そのものに採用の決裁権限を持たせていたりする会社なども該当します。
仮にそうした企業を志望する場合は、内定を取った後に「部門長と経営層に話をさせてください」と打診してみてください。求人票の情報はリアルではないかもしれない。
面接での印象は緊張していて不確かかもしれない。ですから「内定を取って落ち着いた自分」で、入社するかもしれない企業を見極めてほしいのです。
タイミングは「内定を取った後」。内定後のあなたになら、企業はリクエストに答えやすいからです。転職エージェントに「話をさせてください」とリクエストすれば、「入社する可能性が高いからもうひと頑張りしよう」と動き出します。
もちろん、大企業になるほどリクエストが通らない場合もあります。それでもリクエストする価値はあります。企業や転職エージェントの反応が、企業選びの大切な一次情報になるからです。
リクエストした時に、企業や転職エージェントは、「代わりに現場のリーダーと話す機会を設けさせていただいても、よろしいですか?」などと逆提案をしてくれるのか。「うちは、そういうことはしません」という素っ気ない対応なのか。
いい企業の定義は「あなたを高く評価できる企業」
前者なら、あなたは期待されている可能性がありますし、一人ひとりを大切にする社風が根づいている可能性が高いこともわかります。
後者ならあなたへの期待は薄いのかもしれません。残念ながら、「取りあえず内定を出して、入社後にふるい落とそう」と考えている企業もあるくらいなのです。
いい企業の定義はシンプル。あなたを高く評価できる企業です。
実際に、このリクエストで経営層と話ができた相談者さんは数多くいます。信じられないことに、その経営層は求人票を見ながら「ここに書いてあることは古い」と断言し、部門長と現場担当者に面談の場で確認を入れていました。その場で訂正と謝罪、改めて求人内容の説明がありました。相談者さんは入社後も活躍しているから良かったのですが、もし入社後に「あの求人票は古いですよ」なんて言われたら……(実際にそれで早期退職するケースもあります)。
ちなみに、「レベル0」の転職エージェントもいます。「前任者から引き継いだままの求人票です」「入社実績もあるので正確な情報です」と話す担当者には気をつけましょう。人事にも現場にもヒアリングしていないことと同義だからです。仮に「正確な情報ですよ、実際に入社していますから」と言われても、立ち止まってください。
情報は最新であることに価値があります。求人票は刺身です。生の魚は1時間、1日と時間が経てば鮮度が落ちるように、求人票も時間とともに信頼性が落ちます。
会社も事業も、働く人の価値観や人そのものも変わります。あなたに相応しい目利きの転職エージェントは常に「最新情報を持っている」のです。