担当者を代えるリクエストは、当然の権利

ある日、相談者さんからの依頼メールに、こんな一文が書かれていました。

「転職エージェントの担当者って、代えられないんですか?」

結論から言えば、代えられます。当然の権利です。

転職エージェントも求職者も、人と人。水が合わないこともあります。ですが、それ以前の問題、というケースもあるのです。

たとえば、希望とズレている求人が送られてきて「なぜ、この求人を紹介してきたのか理由を説明してほしい」と伝えても、「●●さんに合っていると思ったからです」という説明になっていない返事をされる。面接に苦手意識があるから「面接対策をしてほしい」とリクエストしたところ、「熱意を伝えれば受かりますよ」などと丸投げされた。

すぐに担当者の変更に踏み切りましょう。

そうはいっても、「面倒な求職者」「クレーマー」とレッテルを貼られるのは避けたいところです。あなたの本来の姿ではありません。

面倒な求職者と思われず、「この人のために頑張ろう」と真摯に考えてくれる担当者に交代させるコツがあります。

担当者の変更希望メール「3つのポイント」

実際にWebディレクターの相談者さんと私が一緒に作り、優秀な担当者の交代を実現したメールを公開します(図表2)。

このメールによってそれまでの担当者からは、慌てて電話が来ました。相談者さんは「確かに気持ちのこもった謝罪はいただきました。でも、具体的な改善策はないと感じました」と厳しく判断しました。

最終的には「精神論は私には合いません。交代をお願いします」と毅然とした態度でお伝えしました。

佐野創太『ゼロストレス転職 99%がやらない「内定の近道」』(PHP研究所)
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次の担当者は淡々と仕事を進めるタイプの人で、転職活動は3カ月で決着しました。自分を押し殺さず、先に動いたことが功を奏した例です。

メールを送る際の大きなポイントは、三つ。「希望する企業の特徴」「必ず転職するという決意」「自分にも改善する気持ちがあること」です。

「いつでも交代できる」というカードを持っていることに気づけば、担当者との関係におけるストレスは軽減できるはず。「交代の切り札」は心が落ち着くお守りとして、ぜひ持っておいてください。

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