「自分の葬儀はしない」人も一定数いる

さらに、「自分の葬儀について準備をしているか」を尋ねた項目では、「葬儀資金を準備している」、「葬儀社と事前契約している」、「冠婚葬祭互助会に加入している」、「葬儀はしないと決めている」、「まだ何もしていない」、「その他」の回答から選んでもらいました(複数回答可)。

その結果、「まだ何もしていない」が圧倒的に多く、62.5%でした。その次が「葬儀資金を準備している」の16.1%、「葬儀はしないと決めている」の10.4%という結果でした。つまり、葬儀を準備しているといっても資金ぐらいは何とか確保しているという結果でした。

また、気になるのが「葬儀はしないと決めている」という人が一定数存在するということでした。「葬儀はしないと決めている」と回答した人の性別をクロス集計し、検定を行ったところ、「葬儀はしないと決めている」のは、女性に多いことがわかりました。

この結果から考えられることは、女性のほうが社会的に葬儀を執り行うべきという規範にとらわれにくいこと、また葬儀を多額の出費と捉え、それを抑えるため「葬儀はしないと決めている」ことが考えられます。ただ、実際の自分自身の葬儀を考えるにあたっては、性別や年齢以外の要因、つまり費用を考慮しなければならないので、「経済状況」が圧倒的な割合で関係してくるのではないかと考えられます。

生計のゆとりと希望する葬儀の関係

その「経済状況」がどのくらい葬儀形式の選択を左右するのかという調査を実施したことがあります。「生計のゆとりがない」と感じている人たちは、「生計のゆとりがある」と感じている人たちに比べ「一般葬」を希望する割合が低く、「直葬」を希望する割合が高い結果となりました。

出所=『葬儀業

これは調査前からある程度想像していた結果でした。また、「家族葬」は「生計のゆとりがある」と感じている人たちに希望する割合が高いこともわかりました。ただし、葬儀費用に対する希望としては、100万円程度を下回る額を希望する人が半数以上いました。全体的に低価格帯の希望が多いことになります。