「余白」のニーズをうまくつかみ取れ
このような問題がある中、誕生した「ハラカド」や「渋谷TSUTAYA」といった商業施設は人々の「余白」への欲求をすくい取ったと言えるだろう。
ハラカドの屋上庭園は、至る所に座るところがあり、電源ケーブルもある。ここに行くのにお金はかからないし、「せんだら」需要を十分に満たす。
渋谷TSUTAYAの3・4階のシェアラウンジなどは、そこで時間を潰す需要を満たしてくれるだろうし、前述のIP書店やイベントスペースは自由さや居心地のよさを提供している。
商業施設の「余白」化は、都市の変化の必然である。言うなれば、都市に住む私たちのニーズをもっとも敏感にキャッチしているのが、このような商業施設かもしれない。もちろん、ビジネス的な収支がつかなければこうした施設もなくなってしまうだろうが、物販だけに頼らず、広告費やプロモーション費などをうまく収益に充てるスタイルが成功を収めれば、余白ビジネスが原宿や渋谷だけでなく、都内の他の街にさらに広まるかもしれない。