2021年、若者たちの間では何が流行るのか。今話題の書『Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』の著者、原田曜平さんの予測を大公開。マーケティング戦略を練る立場の人なら押さえておきたい「若者に売れるためのヒント」が満載です――。
「メイク男子」がマジョリティーになる日も近い
2021年の1つめのトレンドは「隠れメイク男子」です。近年はメンズコスメが多く店頭に並ぶようになってきていて、インフルエンサーや一部の美容感度が高い男子だけでなく、普通の大学生の間にもメイクが浸透しつつあります。
ただ、一般的な男子は、まだ「メイク=女性のもの」と思っているところがあり、「自分の容姿をよく見せたいがメイクしているとはバレたくない」という段階にあります。そのニーズをうまく捉えたのが、「uno(ウーノ)」のコップに色移りしないリップや、「BOTCHAN(ボッチャン)」の肌補正クリーム。
いずれも、唇や素肌をきれいに見せながらも素顔感は失わないのが特徴で、メイクバレしたくない男心をつかむことに成功しました。企業のリサーチがすばらしかったからこそだと思います。こうした商品のヒット傾向が続けば、2021年には隠れメイク男子がマジョリティーになる可能性大。メンズコスメが一般化する日もそう遠くはなさそうです。
プチ個性を追求する「HIP HOPワナビープロダクト」
2つめは「HIP HOPワナビープロダクト」。上記2つとも共通しますが、今の若者は突き抜けた個性よりも「プチ個性」を好む傾向にあります。それは不良のイメージがあるヒップホップカルチャーに対しても同様で、憧れはあってもガッツリ取り入れるのには抵抗がある様子。
そこで流行りつつあるのが、2週間で消える指先用タトゥーや大麻を連想させる自然由来の電子タバコ、自宅で楽しめる小さめサイズのシーシャ(水タバコ)などです。こうした「プチヒップホップ気分」を味わえる商品は、しばらく人気が続くと思われます。