アラフォー世代と1995年以降に生まれた「Z世代」では、価値観も仕事観も驚くほど違うと言われています。その違いを知らないまま人間関係を築こうとすると、思わぬ失敗につながることも。Z世代を部下に持つ上司が今知っておくべきこととは。今話題の書『Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』の著者で若者研究の第一人者、原田曜平さんに聞きました――。
Z世代のキーワード「チル&ミー」
Z世代の若者たちは、少子化による超人手不足やアベノミクス景気の中、比較的不安や競争の少ない環境で育ってきました。進学もバイトも就活も、基本的には売り手市場であり、「落ちる」という経験をほとんどしてこなかった世代。これは、その前に生まれた「ゆとり世代」と決定的に違う部分でもあります。
コロナ禍は、Z世代のこうした特徴をあらためて浮き彫りにしたと思います。現在広がりつつある買い手市場は、彼らにしてみれば初めての経験。実際、僕の知り合いの男子大学生は先日、人生で初めてバイトの面接に落ち、「バイトって落ちるなんてことがあるんだ」と衝撃を受けていました。
こうした環境下で育ったZ世代を理解するためのキーワードとしては、「チル」と「ミー」の2つが挙げられるでしょう。「チル」は「まったりする」といった意味で、ガツガツしない、競争しない彼らの特徴を表すものです。
またZ世代は、インスタやTikTokの流行を見てもわかるように、自己承認欲求や発信欲求が高いのも大きな特徴。こうした面を表すのが「ミー(私を見て)」というキーワードであり、これはZ世代と人間関係を築く上で忘れてはならないポイントでもあります。