意外と出社したがる若者たち

今はリモートワークを導入している企業も多いと思いますが、在宅勤務を歓迎しているのはどちらかというと昭和世代のほうで、若者はむしろ出社したがっていると聞きます。当社でも、僕はずっと在宅勤務したいぐらいなのに、若手たちの意見は「週3ぐらいは出社したい」「リアルで会いたい」。

だからと言って、僕ら上司と仲を深めたいわけでもなさそうなので、リアルで会うことが「つながり」だと思っているのかもしれません。一見、新世代に歓迎されそうなリモートワークも、実は彼らには「つながり」を断つものとして映っている可能性があるのです。

ポイントは「浅くつながる」「とにかくほめる」

では、Z世代部下のモチベーションを上げ、能力を伸ばしていくためには、昭和上司はどうすればいいのでしょうか。まず、ZoomやLINEでZ世代の部下とやりとりをする際は、彼らが求める「つながり感」や自己承認欲求を満たしてあげる必要があります。

Zoomなら表情をグンとにこやかにする、LINEなら一文で終わらせず優しい言葉を付け加えるなど、昭和世代に対する時とは違う心遣いが必要でしょう。そして、最も大事なのは「とにかくほめる」こと。とは言え、深く関わろうとする姿勢は彼らにとっては意味不明なので、あくまで「浅く」がポイントです。

昭和世代、特に僕を含めた男性陣にとって、これは非常に難しいですね(笑)。ただでさえ人をほめるのが苦手なのに、まだ成果も出していない新人をほめなきゃいけないわけですから、半端なく気を使わなければなりません。今の管理職は世の中で最も気を使う職業なのでは、とさえ思います。

それでも、Z世代はこれから日本の中核を担っていく世代。優秀な子も多く、やる気と情熱さえキープできれば、きっと新しい価値を生み出していってくれるはずです。Z世代の特徴をつかみ、接し方を工夫しながら、上手に力を伸ばしていっていただけたらと思います。

(構成=辻村 洋子)
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