まだ30代なのに説教くさい人は「自意識ゾンビ」である

こんなことが気になっている人もいるだろう。「年を取ると、どうして説教くさくなったり、空気が読めなくなるのか?」。もちろん老化も一つの原因だろうが、まだ30代なのに説教くさい人も少なくない。何も成し遂げられないまま、自分より若いMZ世代に忠告ばかりしている人がいる。これは老化の問題ではなく、「自意識ゾンビ」になっているせいだ。

彼らは20~30代の間ずっと、自意識ゾンビとしてあらゆる情報をはねのけながら、自意識を守って生きてきた。その結果、自分は優秀だったと考えて、世の中を否定する。自分を傷つけた情報からは目をそらしているが、この傷は無意識の中に積もっていく。表向きは堂々としていても、内面は腐っていて、誰でもいいから自分を認めてほしいと願っている。

そのため、自分より若い人に“忠告”をすることによって、自分が優れた人間であることを示そうとする。いつも世間を否定しているから、若者に忠告をして優越感を抱く。これまでの人生で負った傷を癒すために、相手の感情を無視して、自尊感情を満たすのだ。

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自意識を解体する3ステップ

自意識解体の重要性がわかったら、実践に移ろう。

誰かに会って理由もなく居心地の悪い感情が芽生えたとき、僕はまず「自意識解体」という言葉を機械的に思い浮かべる。そして、この不快な感情はどこから来たものなのか、どんな劣等感が刺激されたのかを考える。こうした「探索」が自意識解体のステップ1だ。

この探索には驚くべき効果がある。肥大化した自我から、一定の距離を置くことができる。嫉妬し、腹を立て、疑う幼稚な自分の姿を落ち着いて見つめられるようになる。すると、自分の傷、誤った攻撃性、ゆがんだ思考がある程度見えてくる。新しいことを受け入れる余裕が生まれる。

ステップ2は「認知」だ。

「あの人を見ると、なぜイヤな気分になるんだろう? 嫉妬しているのかもしれない。嫉妬は学びを邪魔するから、いったん自分の感情を認めて、相手のいいところを吸収しよう」
「僕はどうしてモテないんだろう? 魅力がないんだろうな。魅力がないなら、高めていけばいいや」
「お金の話をする人を見ると、なんだか不快だし、反感を抱いてしまう。充実した人生を送るには、お金があることが必須条件の一つなのに。お金に関して自分に自信がないから、目をそらそうとしていたみたいだ。これから何をすべきだろうか?」