「早朝経済の活性化」がこれからの日本には必要だ
朝型勤務制度を始めた伊藤忠商事の先駆例もある。伊藤忠の朝型勤務制度は、午後8時以降の勤務を原則禁止、午後10時以降の勤務を禁止し、仕事が残っている場合には「翌朝勤務」へシフトさせる制度である。翌朝勤務(午前5~9時)を推奨し、7時50分以前に勤務を開始した場合には深夜勤務と同様の割増賃金を支給するとともに、午前8時前に始業する社員には、ファミリーマート商品などの軽食を無料配布している取り組みだ。
金融業界も為替ディーラーやアナリストをはじめ基本的には朝が早い業界だ。冒頭のグランドハイアット東京の朝食ミーティングでも、多くの金融ビジネスマンの姿を見かける。また、朝早く仕事をはじめ、中抜けして育児をして、夜また仕事をする、海外とのミーティングをオンラインで早朝に行ってから出社、といった形も可能となってきている。
夜は自己啓発や趣味の時間に使う、家族や友人とまたは気の合う仲間との時間に使う。シニア・富裕層だけでなく、リスキリングに加え、自分自身や仲間との時間を大切にする若年層や資産形成層にとっても、夕方や夜間は貴重な時間だ。
早朝出勤により、通勤時間をずらすことで、東京メトロ東西線など、首都圏での通勤ラッシュの緩和にもなる。
国などが推進する「ナイトタイムエコノミー」ではなく、「早朝経済の活性化」こそ、これからの日本には必要ではないだろうか。