ビジネスエリートは早朝から活動している。金融アナリストの高橋克英さんは「グランドハイアット東京などのラグジュアリーホテルでは、海外ビジネスマンを中心に朝食ミーティングが盛んだ。いわゆる朝活や朝食勉強会とは違い、完全なるビジネスとしての商談や交渉を行っている」という――。
朝食
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海外ビジネスマンで埋め尽くされる朝のグランドハイアット

東京・六本木ヒルズにある外資系ラグジュアリーブランドホテル「グランドハイアット東京」。オールデイダイニングの「フレンチ キッチン」の人気朝食メニュー「ブレックファスト ブッフェ」は、旬の野菜を取りそろえ、オープンキッチンを活かして、シェフが目の前で出来立ての料理を提供してくれる。また、オムレツなどの卵料理や、人気のフレンチトーストやエッグベネディクトなどは、テーブルでオーダーが可能だ。

フランス直輸入のチーズ、生絞りのフルーツジュースに加え、日本食や中華料理もそろっており、さまざまな料理を好きなだけ頂くことができる。

ブレックファスト ブッフェは、相次ぐ値上がりにより、現在は5170円(税込み・サービス料別)もするが、早朝6時半のオープン開始から、インバウンドの宿泊客だけでなく、海外ビジネスマンなどで埋め尽くされていく。平日でも8時を過ぎる頃には約50席150人を収容できるフロアは満席で、少し遅れると、宿泊者優先で、利用を断られることも頻繁にあるほどだ。

至るところで、朝食ミーティングと称して、海外ビジネスマンやエグゼクティブたちが、朝食を取りながら、ワンオンワンの商談や交渉を行っているのだ。嘘だと思う読者の方がいれば、一度早起きして覗きにいってみてほしい。晴れた日にはテラス席もあり、大切な顧客とは複数ある個室も利用でき、少人数の打ち合わせも問題なくできる。

外資系ラグジュアリーブランドホテルなので、日本流の「おもてなし」とは違うが、スタッフは多国籍で、ホスピタリティーは高く、グローバルスタンダードなサービスは、ストレスフリーだ。

リッツカールトンや帝国ホテルでも同様の賑わい

無論、日本人ビジネスマンやエクゼクティブを交えた朝食ミーティングも少なくない。また、グランドハイアット東京のロビーでは、某メガバンクのロゴの入った案内板を掲げているスタッフを早朝から見ることもある。決算発表やIRイベントに合わせて来日した海外投資家やアナリスト向けに、ワンオンワンミーティングを開催しているのだ。さすがは、グローバルに世界展開し、外国人株主や投資家も多いメガバンクだといえよう。

グランドハイアット東京に限らず、リッツカールトン東京、アンダーズ東京など都内各地の外資系ラグジュアリーブランドホテルや、パレスホテル東京、帝国ホテル東京、ANAインターコンチネンタルホテル東京などのロビーフロアやダイニングは、同じように早朝から国内外のビジネスパーソンの朝食ミーティングで活気にあふれている。