日本人全体としてのん気度が増す中、例外なのは…

最後に、最初に掲げた性・年齢別のんき度の時系列変化を見ておこう(図表3参照)。

筆者作成

2013~19年について、全体としては、働き盛りの年齢では、のんき度は低迷しているのに対して、10代、あるいは高齢層では改善が見られる。

2019~22年にはコロナ禍で世の中が大揺れした時期であるが、各年齢層を通じてのんき度はかえって上昇している点が非常に興味深い。2022年調査はこのデータが属する健康票については6月に実施されているが、6波と7波の間で感染者数が大きく減り、コロナ禍への慣れもあって感染不安はかなり低下した時期にあたる。感染症大流行の最悪の事態を何とかやり過ごしてほっとした感情がのんき度の上昇にむすびついたとも解されよう。

長期推移を探るため、2013年から2022年にかけての9年間の男女・年齢別の変化を見ると、男女ともに、10代~20代前半と45~54歳と70代の3つの山で上昇幅が大きく。それらをはさむ2つの谷と80歳以上とで上昇幅が小さくなっている。

中でも、小さな子どもがいる女性の30代前半と、心身の衰えがもっとも顕著な男性の85歳以上では変化幅がほぼゼロという点で他の階層と比べた時に、その精神状態の厳しさが目立っている。

逆に、大いに「のんき度」が増した層として目立っているのは、20代前半までの若年層男性と70代男女である。70代男女の「のんき度」アップは、体力アップ(若返り)や健康上の改善が理由と考えられるが、若年層男性の「のんき度」アップは、あくまで仮説であるが、男子はこうあらねばならないという精神的呪縛から若者男子が解放されつつあるからではなかろうか。

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