親の世帯年収は600万円以上が約7割

文部科学省の調査では、私立中学に通う子どもを持つ親の世帯年収は600万円以上が約7割を占めており、平均より世帯年収が高い傾向があります。(東証マネ部!「私立中学に通わせる親の年収はいくら?」2023年7月20日)

先程の佐藤家も世帯年収1000万円超でしたが、途中からお母さんが子どもにつきっきりとなったことで片働きとなり、世帯年収は700万円台に。もはや、「怖くていくら受験に使ったか確認したくない」と話しています。また、夫の年収が400万円、妻が300万円という別の知り合いのご家庭は貯金を切り崩して受験戦争に挑んでいて、平均より世帯年収が高くとも、その内実はさまざまです。

ではここで、実際に中学校・高校で私立を選んだ場合の学費を見てみましょう。文部科学省の調査によると、学費の総額は、私立中学3年間で約430万、私立高校3年間で約316万となっており、6年間で約750万円となっています。ちなみに、私立小学校の学費は6年間で約1000万円でした(文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」2022年12月21日)。

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小学校から私立の場合と費用面の差はほとんどない

月40~50万円を塾代などに充てると、小学6年生の1年間だけで500~600万円程度の支出となります。難関校を目指す場合、小学3年生頃から塾に通い出す子が多く、「怖くて確認できない」と言っていた佐藤家の場合、中学受験トータルで700~800万円かかっていると見ていいでしょう。さらに佐藤家では、中学入学後は東大を目指す名門塾に入るということだったので、大学受験に向けてもまた“課金”が生じそうです。

仮に中1から高2年までの塾代を月3万円、ラストスパートの高校3年時には年間100万円とすると、6年間で約300万円。そこに、中学受験費用800万円と私立中高の学費をプラスすると、大学入学までにかかる教育資金は1850万円になります。

一方、小学校受験をして高校までエスカレーター式の私学に通った場合、学費はトータルで約1750万円。ここに塾代は含まれていませんが、小学校から私立に通った場合と、ハードな受験を経て私立中学に入った場合では、費用面における差はほとんどなくなっています。