平等社会の意外な欠点とは

若い人と接していて驚かされるのは、いまの日本人は実態以上に弱気になっているということだ。

理由のひとつは、中国や韓国による経済面での驚異的な追い上げだ。ノーベル賞受賞の実績がなくても彼らの能力が劣っているわけではないと述べたばかりだが、といって、彼らのほうが勝っているわけでもない。侮るのはよくないが、現今の勢いを恐れて、たじろいだりするのも間違いだ。そこは冷静に見ておかなければならない。

たとえば、中国のGDPが日本を追い抜いて10年には世界第二の経済大国になるという。これを新聞やテレビは悲観的に伝えるが、考えてみれば当たり前のことが起きているだけではないか。

中国の人口は日本の10倍もある。国土も広大だ。本来なら中国の経済規模は日本の10倍になり、ノーベル賞受賞者も10倍出ていなければならない。それなのに、小さな日本のほうが上回っていたのだから、これまでのほうがよほど特別だったといえるだろう。

そもそも東アジアに位置する中国や韓国と日本とでは文化的に共通点が多い。人材のレベル、潜在力もほぼ同じだと思えばいいだろう。現に私がよく知っている中国・韓国の研究者は、日本人の研究者と遜色がない。

生まれつきに差がないということは、日本の若い人が努力をしないで怠けていたら、必ず追い抜かれてしまうということだ。僕は日本人としてそんな姿は見たくない。だから「気を抜くな、頑張れ」といいたいのだ。