50歳から必要な「人生の再設計」

もし、これから人生の選択肢が広がるとしたら?

原尻淳一、千葉智之『ライフキャリア』(プレジデント社)

若い頃と同じように、広くて選択肢の多い、希望に満ちたキャリアがこれから先の未来にイメージできるとしたら、元気が出るとは思わないだろうか。

人生100年時代のちょうど2回目の人生に当たる、50歳からの人生を再設計していく。これができれば、仕事や人生に対するモチベーションも再上昇していくに違いない。

筆者はこれまで1万人を超える人々に、マネジメントやマーケティング、キャリアの研修を行った経験がある。大勢のサラリーマンからリアルな生の声やキャリアにまつわる悩みなど数多く聞いてきた。

その中には、50代で人生を再設計して、イキイキと充実したキャリアを過ごしている人たちがいる。その人たちを見ていて、「まだ見ぬ自分を創り出す方法」の共通点に気づいた。

無意識に刷り込まれた「キャリア」のイメージ

まず、そもそもキャリアと聞いて何をイメージするだろうか。仕事をするうえでのスキルや経験。会社に勤めた実績や、役職や肩書といったポジションを思い浮かべる人もいるかもしれない。

世間一般のキャリアに対するイメージはそんなところだろう。

ただし、これらはすべて会社に関連する内容ではないだろうか。キャリアといえば会社の中での仕事や能力だと無意識に思い込んではいないだろうか。

人生を再設計する自分自身のことなのに、あまりに思考が会社に偏りすぎていないだろうか。

とはいえ、それも無理のない話で、長らく終身雇用、年功序列が当たり前だった時代には、キャリア=会社であり、キャリアの概念そのものが必要なかった。

それが、仕事の主体が会社から個人に変わっていき、転職も一般化していった。最近では、会社の寿命より個人の寿命が長くなり、会社も一生面倒をみることが難しくなってきたため、副業と兼業を推進する側にさえなっている。