人生はまさに「舞台」のようなもの

以下のような人生のシナリオが思い浮かんだ。

第一幕:誕生〜50歳(50年)

誕生〜学生時代:学びや趣味に打ち込んで、特技といえるものをつくれたら素晴らしい。
会社時代(20〜30代):出世や高い給与をモチベーションにして取り組むのもいい。とにかく、仕事の流れの全体を把握し、現場を任せられるようになるまで頑張る時期。
会社時代(40代):課長・部長としてチームを指揮し、事業計画の設計・運営・管理を経験。ビジネス創造資産をたくさん蓄積する。

幕間まくあい:50〜60歳(10年)

会社の出世レースの結果が見えたタイミングで、第二幕の準備にモードチェンジする。

第二幕に必要と思われる「小商い」に必要なビジネス創造資産をこの10年で貯める。自分の特技を再度見直して、楽しみながらゆったりと10年で磨きをかける。

第二幕:60~100歳(40年)

特技とビジネス創造資産を融合させて、やりがいのある小商い(第二幕)を開始する。

これは思いっきり稼ぐというよりも、生きていくうえで、イキイキといられる場を持つことの意味が大きい。そして、小さくても収益があることで「小さな安心」を自ら生み出す。結果として「小さな自信」を持つことができ、充実した時間を作り出すことになる。

「かつてなりたかった自分」に再挑戦する

さて再度、伊能忠敬の人生に戻ることにしよう。

原尻淳一、千葉智之『ライフキャリア』(プレジデント社)

彼の人生の第二幕を見ると、それは「かつてなりたかった自分への再挑戦」のように思えてならない。

彼は幼い頃から数学・測量・天文が好きだった。もしかしたら、天文学者・測量士になりたかったのかもしれない。

人は誰しも、幼い頃、なりたい夢があったはずだ。

しかし、多くの人は食っていくためにその夢をあきらめる。食っていくという現実を受け入れて、仕事をする人を「大人」というのかもしれない。