主観的な幸福感を左右するのは所得や学歴ではない
最近の厚生労働省の研究によれば、主観的幸福を感じる社会的要因は「特技や経験を他人に教える」時が高いという分析がある。
また、別の調査によれば、「自己決定」の高さが、所得や学歴よりも主観的幸福感に、より強い影響を与えているという分析もある。
これらの研究調査から見えてくるのは、他人との関わりや経験の共有、そして自己決定の権利や自己実現の機会が重要であり、それらが主観的な幸福感や生活の満足度に大きな影響を与えている、ということである。
自分の暮らしの中で自己決定する領域を広げ、会社で育んだことや特技で自分の好きなことを他者に教えることが幸せなのだとすれば、退職後、「特技や経験を他人に教える」小商いは、幸せな「福」業になる。
年金と同じくらいの収入が毎月入るサイズでいい。幸せでちょっとだけお金が稼げる、生き生きと暮らせる時間。それが人生第二幕の在り方なのではないか。
あなたの本当の「望み」は何だろう?
伊能忠敬の墓は、師匠である高橋至時の墓の隣にある。死してなお、若き師匠と測量や天文学の話をしているようであった。
そして、2人のフォースゴーストは私たちにこう語りかけているように思える。
「心から望むものを思い出せ。そして、かつてなりたかった自分に再挑戦せよ」と。
拙著『ライフキャリア』では、私たち一人ひとりが伊能忠敬のように自分自身を再発見するための方法論を語っている。ぜひ併せてご参照いただきたい。