現金2万~3万円は小銭で用意しておく

非常時に備えて防災グッズを準備する人は徐々に増えてきているようですが、非常用持ち出し袋に現金も入れておくとよいでしょう。家族構成によって用意する金額は異なりますが、数日間、食料や身の回りの品物を調達できる程度で、2万~3万円くらいが目安となります。店側で釣銭の用意ができないことも考えられますので、1万円札ではなく、1000円札、100円玉、10円玉を組み合わせて用意しておくのがお勧めです。

写真=iStock.com/yoshitaka okino
※写真はイメージです

通帳やキャッシュカード、届出印をなくしてしまった場合でも、本人であることを確認できる書類を窓口に持参すれば、災害支援法に基づき預金残高の範囲内で預金口座から現金を引き出すことができます。1日10万円を上限とする銀行がほとんどですが、ゆうちょ銀行は1日20万円を上限としています。

住んでいる地域によって災害後の行動が違ってくることも考えられます。たとえば遠方に避難する必要が出てくるかもしれないなど、家族とともに万一に備えたシミュレーションをして、具体的な対策を心がけることが重要です。

「なんにでも使える貯金」は心強い

中長期にわたって災害の影響が及ぶ恐れもあります。職を失うとか、移住を余儀なくされるとか、公的支援や保険からの給付だけでは賄いきれない、経済的負担が発生するかもしれません。そんなときに役に立つのが、使途に縛られない預貯金です。

災害に限らず、人生に不測の事態はつきものです。教育費など、目標を決めて貯めるお金だけでなく、緊急予備資金的な貯蓄も合わせて用意しておきましょう。少なくとも生活費の6カ月分、できれば1~2年分は欲しいところです。お金には色がついていませんから、災害以外の予期しない出費にも使えますし、何事もなければ老後の余裕資金にもなります。

日本中どこに住んでいても大きな地震に襲われる可能性があると言われていますし、災害が発生しやすい国土との指摘もあります。お金の準備だけでなく、家具の転倒防止など、住まいの安全対策を講じることも大切です。また、自治体のハザードマップを確認して、地域そのものの危険度が高い場合は引っ越しを検討するなど、大切な命を守るための「わが家の防災計画」を策定してください。

関連記事
【関連記事】支払い方法で3万円も安くなる…「今秋の火災保険大幅値上げ」で損をしない見直しポイント
いまだに3割は入っていない…保険のプロが「地震保険だけは絶対に入ったほうがいい」と力説するワケ
「助けられる命」をもう失いたくない…「病院の機能停止」で4歳の娘を亡くした母親が震災報道に思うこと
300棟以上の湾岸タワマンが傾き続けている…ブラジルで大量発生中の「傾きマンション」という厄介な問題
実は賃貸に住む建築家が多い理由…プロがこっそり教える「住宅会社が絶対に言わない"住まい"の真実」【2023下半期BEST5】