災害の備えには何が必要か。備え・防災アドバイザーの高荷智也さんは「家の耐震補強や家具の転倒防止など、まずは『即死しない』ための対策が必要だ。それがクリアできたら、生き残るための食料備蓄に取り組んでほしい。カロリーベースの食料需給率が37%の日本で大災害が起きたら、食糧不足に陥るのは明らかだ」という――。

※本稿は、高荷智也『今日から始める本気の食料備蓄 家族と自分が生き延びるための防災備蓄メソッド』(徳間書店)の一部を再編集したものです。

スーパーの売り場の棚に何も置いていない
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食料備蓄は絶対に必要

社会インフラが高度に発達した現代の日本では、いつでもどこでも安くて美味しい食べ物を入手することができます。平時であれば、わざわざ自宅に食料を備蓄せずとも、24時間営業のコンビニなりファミレスなり、好きなところへ行けば欲しいだけの食べ物を得ることができるのです。

しかし、大地震、水害、噴火、感染症パンデミックなど、何かしらの災害が発生すると状況は変わります。自宅に危険が迫っていれば、食べ物を持って避難場所へ逃げることになりますし、停電や断水が生じれば普段通りの食事のしたくはできなくなります。さらに短期的にでもトラックなどの走れない状況になると、とたんにお店から食料品の姿が消えてしまいます。

平時とは異なる状況が1日で終わるのか、それとも1カ月以上継続するのかは、実際に災害が発生してみなければ分かりません。しかし、自然災害大国日本において、あるいは食料の多くを海外からの輸入に頼る日本において、ちょっとしたきっかけで食料が不足する状況は、「生じるかどうか」ではなく、「いつ生じるのか」と考えるべき対象です。

食料備蓄は必要か。期間の長さを問われなければ「絶対に必要です」と言い切ることができます。まずは防災リュックに1日分の行動食を。そして自宅へ3日分の非常食を。余裕があれば7日分の食料品の確保を。さらに、よりひどい状況に備えていきたいとお考えであれば、ぜひ本書(『今日から始める本気の食料備蓄』)を参考に、1カ月分、2カ月分、それ以上……、長期備蓄に取り組んでください。この本は、備蓄をがんばるあなたの味方です。