高学歴人材に共通する2つの要素

子供への課金と聞くとまず塾や習い事が浮かぶと思いますが、塾や習い事へ課金することが自己目的化してしまい、子供の成長や将来の成功につながらなければ意味がありません。

中学受験をはじめとする幼少期からの勉強への課金の他に、子供が将来「成功」するための課金について考えてみます。

私は早稲田から大手銀行に入るまでに出会った人々や、SNSを通じて出会った多くの高学歴人材を見てきて、成功するためには次の2つが重要なのではないかと考えています。1つ目はバランスのいい経験、もう1つは海外経験です。

1.バランスのいい経験

バランスのいい経験とは、試験一辺倒の学力の養成だけでなく、課外活動をしたり、友達と遊びに行ったり、家族で旅行に行ったりといった様々な経験のことです。

特に私の周りで成功している人は、サラリーマンであれ起業家であれ、「コミュ力」に優れていると感じられます。

コミュ力とは相手の求めていることを察知したり、主張すべき際はうまく主張したり、そのくせ和を乱すことなく心地よい対人関係を維持できるような能力だと考えています。

例えば勉強一辺倒だった人は、その場の空気よりも会話の「正解」を考えてしまい、強い主張をして空気が悪くなる、といった事故を起こしがちです。

集団で行動するときには、真理よりもその場の空気を優先すべき事態だって起こりえます。

かといって空気を読みすぎて何も言わないだけでは、主張ができない「モブキャラ」となり、集団の中心人物になるのは難しいでしょう。

小学校時代に勉強以外で「課金」すべきもの

本当に仕事ができる人は、プライベートを含め重要人物と良好な関係を築き、社内では根回しをして、人を動かせて決定ができる決断力を備えている人です。

そのような対人関係のバランス感覚のようなものは、幼少期からのスポーツ経験であったり、友達と遊んで喧嘩した経験であったり、家族間での信頼関係であったり、学校・地域での上下関係であったり、様々な対人関係を通して身につくものでしょう。

首都圏の中学受験が過熱化し、幼少期から塾へ課金して時間も労力もかける傾向が進んでいますが、お金や時間を投資すべきなのは勉強だけとは言えません。例えば集団競技のスポーツを小学校から続けていれば、周囲と協調して困難を乗り越える経験ができるでしょう。

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集団競技では個のパフォーマンスを高めるのと同時に、戦術を理解してチームに献身する協調性も求められます。集団競技を小さい頃から経験してきた人は、そのような「個と集団」のバランス感覚に長けていると感じます。

また意外に思われるかもしれませんが、「体力」も重要な要素であると感じます。社会に出て活躍するには仕事にプライベートに奔走する基礎体力が重要です。

幼少期からスポーツに課金してもらい、良質な体力トレーニングを積んできた人は、大人になってからの活動のベースになる体力面でも秀でているでしょう。

このように、小学校時代に「課金」を検討すべきなのは、勉強以外にもたくさんあるのです。