「世界を股にかける」が一流の証しに
2.海外経験
また自分が見てきた成功者には、海外経験という共通点も見られます。総合商社勤務やメガバンクの海外駐在担当者といった世界を股にかけて働く人材は、それだけでハイスペック人材のため希少価値が高く給与も高い場合が多いです。
直接海外勤務しない日系大手勤務のサラリーマンも、長期休暇や新婚旅行で海外に行く姿をよく目にします。
グローバル化が進んだ現代では、「世界を股にかける」というのは一流の証しになっていると感じます。
幼少期から海外経験を積むメリットは大きく2つあると考えています。1つ目が語学や文化といった海外の実態を体で吸収できる点、2つ目が「優秀さ」のアイコンになるという点です。
語学を学ぶならその言語が話されている場所で生活するのが一番いいのは言うまでもありません。ネイティブが話している生きた言語を体感することができますし、生活がかかっているとなれば脳も必死になってフル回転します。
特に小学校など年齢が若いうちであれば、新しい言語に対する吸収も早いことでしょう。
また学校文化1つとっても、日本と世界では大きな違いがあります。
実際私は小学校低学年の時にアメリカで過ごしていましたが、現地の小学校では驚きの連続でした。同じクラスには色々な人種が混在しており、今までいかに自分が狭い価値観の中で生きてきたのか痛感しました。
私の家族と同じように世界各国から駐在で来ている人も多く、国籍も多様なため、文化や宗教の信仰の違いなどがあり、学校側もそれぞれの事情に合わせていました。
生徒たちは多文化理解が深まり、お互いがお互いの価値観を尊重していた気がします。日本の学校のような同調圧力は全くありませんでした。
中学受験よりもおすすめの選択肢
語学学習や異文化理解という点で、幼少期から海外経験に時間やお金を割くのは1つの選択肢です。場合によっては中学受験に課金するよりも、その子の人生を豊かにするようなリターンが大きくなることでしょう。
さらに「海外経験」は、それだけでその人の優秀さを測る「学歴」に近い存在になってきているとも感じます。
近年の就活を経験した人なら常識となっていることですが、「体育会」と「留学」が就活で評価される2大ポイントになっているのです。
大手企業から内定をもらった人に話を聞くと、「私は体育会でもなければ留学経験もないけれど」などという謙遜のセリフをよく聞きますが、それほどまでに体育会と留学は就活で評価されるポイントとして世の中に定着しているのです。
実際に留学といっても数週間の旅行に毛が生えたようなものから、数年間研究に行くガチなものまで幅広いですが、就活では「留学」というワードが一人歩きして、「留学」=語学堪能で、海外の人とも積極的に交流でき、留学に行かせられるくらいには家庭の金銭的余裕もあるなど、万能な指標として捉えられがちです。
数週間の旅行程度の留学に行ったからといって特段有能とは言えない気がしますが、そこは「学歴」の持つ第一印象のように、短時間で評価を下さないといけない就活における事情があるのだと思います。
いずれにせよ「優秀」といった第一印象を獲得できるのなら、海外経験をしておいて損はありません。大学生が短期留学に行くことが主流になるにつれ、大学時代では差がつかなくなり、高校以前になるべく長期で海外にいたことに評価が移っていく可能性もあります。
小・中学校の早い段階から時間やお金を投資する対象として、中学受験よりも「海外経験」はおすすめの選択肢です。