子供の将来を考えたとき、親は中学受験を選択させるべきか。学歴研究家のじゅそうけんさんは「中学受験を選択することは、公立コースに比べて最大1000万程度余分に資金を注入することになるが、高校受験を選択した世界線より1ランク最終学歴が上がる。ただこれは受験と生涯年収でみた投資収益率というきわめて偏った考え方だ。子供が将来『成功』するためには、幼少期からの集団スポーツなどの『バランスのいい経験』と優秀さのアイコンになり得る『海外経験』が重要になる」という――。
※本稿は、じゅそうけん『中学受験はやめなさい 高校受験のすすめ』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。
早熟だが協調性がない人は中学受験が向いている理由
本稿では高校受験をどのように攻略していくかについて紹介していきますが、前提として、高校受験ではなく、中学受験をすべき人も存在します。
早熟で認知能力は高い傾向にあるが、社会適応性の面がやや未発達で、先生に気に入られなそうな子は中学受験向きだと言えます。要は、明らかに内申点が取れなそうな子を高校受験市場に参戦させたら、芳しい結果は得られないだろうということです。
現在の都立高校入試では、約3割が内申点となっており、実技科目の配点が多く設定されています。
特に実技科目では、ペーパーテストの出来は最低限しか加味されず、意欲的に頑張っている(ように見える)といった曖昧な理由で内申点が付けられる傾向にあります。
そのため、勉強は得意だけど同級生と比較して精神的にやや幼い・協調性が低めといった傾向が小学生のうちから見られるようなら、中学受験の方が可能性が広がるかもしれません。
中学受験では(一部面接のあるところもありますが)基本はペーパーテスト一発勝負で、勉強さえできれば突破できます。
先ほども触れましたが、私は明らかに「中学受験向き」な子供でした。中学入試や大学入試のように、単純にペーパー試験の点数順だけで合否が決まるのであれば自分はトップ公立高に受かったのに……と、しばらくの間引きずったのをよく覚えています。