「仕事は所詮、仕事」という人を動かすには
ワーク・イン・ライフ実現のカギを握るのも、「自分事化」です。会社の仕事と自分のやりたいことを重ねていくことで、仕事を人生の一部に取り込むのです。
一つ、エピソードをご紹介しましょう。
ある企業でワークショップを行った際、「仕事は仕事と割り切っている」という人がいました。
その人の趣味はギターで、一刻も早く家に帰りギターを弾くことが何よりも大事だということでした。「なぜギターを弾きたいのですか?」と聞くと、「自分の演奏を聴いてもらうことで、多くの人に勇気や共感を与えたい」という返答でした。
そこで、「今の仕事で人々に勇気や共感を与えることも可能なのでは?」と言うと、「そういうことか」と納得してくれたのです。
あくまで一例ではありますが、これが「自分事化」です。
一見、仕事と結びつかないことでも、その本質を抽象化してみることで、仕事と結びつけられる可能性が出てきます。
「プラモデルが趣味」という人は、一つのことに集中し、道を究めるということに喜びを見出しているのかもしれません。ならば、今の仕事でも「ある分野のプロ」になることを目指すことで、ワークとライフの重なりを増やすことができるかもしれません。
このワークは、あなた自身はもちろん、あなたのチームメンバーにもぜひやってみてもらってください。その結果、やる気がないとみなしていたメンバーのやる気を再び引き出すことも可能になるかもしれません。