大学が東京なら仕送り額4年で380万円が加算される

表は、1年間にかかる学習費の総額とその内訳だ。

【学習費総額】(学校教育費+学校給食費+学校外活動費)
小学校 公立35.3万円 私立166.7万円
中学校 公立53.9万円 私立143.6万円
高校 公立51.3万円 私立105.4万円

「学校教育費」とは学校教育に各家庭が支出した全経費であり、授業料のほか、学用品、修学旅行代からPTA会費まで含んだ金額。「学校外活動費」は塾や習い事、芸術鑑賞、留学、ホームステイ費用など、各家庭が学校外での学習活動に支払った金額である。

「この『学校教育費』と『学校外活動費』を学校所在地の人口規模別に見てみると、人口が少ない市町村ほど『学校教育費』の支出が多く、『学校外活動費』は人口が多い市町村ほど多く支払っていることがわかります。つまり、人口が多い自治体ほど学校教育に対する行政の支援が手厚いので家庭が支払う学校教育費は小さくなり、一方で、塾や習い事などの学校外活動の支出が大きくなるということです。公立小学校の場合、人口10万人未満の自治体と100万人以上の自治体を比べると、塾代に2倍近い開きがあります。

都心部では中学受験をする家庭も多く、たとえば東京都内で中学受験向けの進学塾に通うと、公立小学校に通っていても6年生の1年間で100万円以上かかるケースも珍しくありません。また、文科省の数字には出てきませんが、塾に通わせた際に必要となるおやつ代や補食代も、毎回数百円から1000円近くかかることを考えると馬鹿になりません」(前田さん・以下同)

図表3は、「学校外活動費」の内訳を細かく見たものだが、その中の「国際交流体験活動費」を見てみよう。これは留学やホームステイ、国際交流イベントにかけた費用で、公立小は0円、私立小では0.3万円となっている。

これも平均のマジックで、小学生で留学する家庭はごく少数だから。実際は、仮に小学生が1週間、夏休みなどを利用した短期留学に参加した場合、最低でも20万円はかかる。

「学校外活動費には、学童保育にかかる費用も含まれます。学校併設の場合は月額0円から高くても1万円ほどですが、習い事の要素などが加味された民間学童保育ならば週5日保育で月額5万円ほどかかります」

また、大学の費用には、自宅から離れた場合、生活費などの仕送り代もかかる。日本政策金融公庫の調べでは、全国平均で月額8万円ほど。単純計算すると4年間で384万円になり、これらの金額が前出の16年間の教育費総額に上乗せされることになるわけだ。

さらに、医歯学系に進んだら、芸術系に進んだら、大学院に進んだら、1浪したら、留学したら……、と考えて、総額いくらになるのか想定しておくといいだろう。