もっと早く、緊張を感じた段階で対応してみる

帰りが遅い我が子に親が口うるさくなるのは、子供が危険な目に遭わないか心配しているからです。私は、学生時代、そういう親の存在が疎ましくて反抗ばかりしていました。

心ない言葉を投げつけてたくさん親を傷つけてしまったし、そうしてしまう自分にも傷ついていたように思います。

でも、大人になった今は、親の気持ちがわかってきて、うまく付き合えるようになりました。

なんだか、緊張とよく似ている気がします。

緊張は悪いものではありません。むしろ味方です。

克服しなくていいのです。

上手に付き合う方法を探してください。

例えば、頭が真っ白になる人は、真っ白になる前に緊張を感じているはずです。

何か対応をしていますか?

きっと、そのまま放置しているはずです。

だから、体が「もっと緊張させなきゃ!」と緊張の強度を高め、何も考えられないよう頭を真っ白にするのです。

もっと早く、緊張を感じた段階で対応してみてください。

「緊張に気づいたよ。大丈夫だよ。周りに危険はないよ」と体に教えてあげるのです。

写真=iStock.com/kimberrywood
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あなた自身が、このように緊張とうまく付き合えるようになれば、防衛本能も安心して、弱まっていきます。頭が真っ白になることもなくなるのです。

緊張は、克服することを目指すのではなく、上手に付き合っていく習慣をつけましょう!

大谷翔平がWBC後に語った真理を示す言葉

2023年の3月、WBC(野球の世界一決定戦)で日本は優勝しました。

世界一をかけた9回表。たった1点差で日本がリードしている中ピッチャーとしてマウンドに上がった大谷翔平選手。あと1アウトで世界一です!

このシーンでバッターボックスに立ったのは、MVPを3度受賞しているメジャーリーグ最強打者、アメリカのキャプテンであるマイク・トラウト選手でした。

球史に刻まれる、映画以上にドラマチックな2人の対決を経て、日本は見事世界一に輝きました。

試合終了後、このシーンについて大谷選手は次のようにインタビューに答えています。

アナウンサー「試合の9回でマウンドにも上がりました。あのときどんな心境だったんでしょうか?」
大谷選手「本当に接戦のいいゲームで、最後ほんと緊張しましたけど、何とかおさえてよかったと思います」

大舞台で活躍する人や芸能人は、人前で緊張しないと思われがちです。

でも、同じ人間です。緊張しながら、がんばっているんですよね。

私も、「緊張しないでしょ」と言われることがあります。

「いいえ、緊張しますよ」と何度も本気で伝えても、「ウソだ〜!」と一切、信じようとしない人もいます。

実は、そういう人ほど自分が誰よりも緊張しいだと思っていて、いつまでたっても話し方が上達しません。