月給45万円でも外国人労働者が足りない

記事では船長の話として、「韓国人は4大保険(雇用保険、労災保険、国民年金、健康保険)に加入できて、宿舎と食事を提供されても、働きに来ない」というコメントを紹介。さらにこの船長は、「外国人労働者には月給400万ウォン(約45万円)で宿舎と食事も提供しているが、他の雇用主が金を払ってでも外国人労働者を引き抜こうとする。それに伴って労働者が移動するので、雇用状況が混乱している」と訴えた。

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韓国では人手不足が深刻化している(ソウル市内)

こうした状況下で、外国人の不法滞在者も増加の一途をたどる。不法滞在者数は23年4月末時点で41万7852人となり、過去最多を記録した。

特に問題になっているのが、増え続けるタイ人の不法滞在だ。

「タイ人の不法滞在者」が3倍に

韓国の公営放送KBS(韓国放送公社)の報道によると、タイ人の不法滞在者は15年の5万2000人から23年9月時点で15万7000人と、8年間で3倍に増えている。

この数は、中国人の不法滞在者(約6万4000人)の2倍以上だという。

こうした不法滞在者は、タイ語で「ピーノイ(小さな幽霊)」と呼ばれている。公式な就労者としてはカウントされないが、彼らの存在が韓国経済を影で支えている。

事業主にとっては、安い賃金でなんの保証もいらず「使い捨て」できる外国人労働者の存在は都合がいい、という現実がある。

韓国の大手新聞社の記者は、「タイ人の不法就労者が増えるのは、外国人を安く雇用しようとする、韓国人事業主の過ちからくるものだ」と憤る。