これからの生き方の指針が得られる一冊

〈特別賞〉のグロービス経営大学院賞は、連続起業家の孫泰蔵氏が自身のSNSで執筆していたストーリーを、編集者の強い勧めによって書籍化した『冒険の書』でした。

孫泰蔵著、あけたらしろめ挿絵『冒険の書』(日経BP)

主人公の「僕」が、「なぜ学校に行かなければならないのか」という素朴な疑問に答えるために時空を超えた旅に出るというストーリーとなっています。

「学校に行きたくないなぁ……」と悩む「僕」は、友人のダイヤ・アイダに疑問や問いを打ち明けます。すると彼は「ついに泰蔵さんも冒険者になったのですね」と、一冊の本を差し出しました。彼は「冒険者には、他の冒険者の声が聞こえます。『冒険の書』は世界中に散らばっていて、冒険を決意した人だけ読むことができます。この本はきっと、泰蔵さんの重要な導きとなってくれるでしょう」と言い、立ち去ります。

「これが『冒険の書』なのか……?」と「僕」が不思議に思った途端、白い光があたりを包み、黒い人影と見たことのない風景が交錯しました。目の前には高い塔のお城が見えています。呆然としている僕に、一人の老人が話しかけてきて――?

本を手に取ることで、過去の偉人たちと言葉を交わし、学びを得て考えを深めていく「僕」。そんな「僕」と自分を重ね合わせながらストーリーを楽しんでいるうちに、これからの生き方の指針を得られる一冊です。

2022年12月から2023年11月に日本国内で刊行された書籍を対象として開催された、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2024」。どの部門にも、2023年を象徴するような、学びにあふれる作品がランクインしました。

まだ読んでいない本や気になっていた本があれば、この機会にぜひチェックしてみてください。

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