いまの社会は急ぎすぎている。スローダウンしたほうがいい
【パックン】僕らの暮らしを40年前、50年前と比べれば、いまのほうがはるかに立派ですよ。みんなが携帯という超複合的なデバイスを持ち歩いているし、テレビはすごく薄くてでかくなっているし、楽しめるコンテンツも多い。ユニクロへ行けばめちゃいい洋服を安く買える。東京には全世界の料理があって、2、3000円で食べられる。一般の人が100年前の王様より立派な生活をしていますよね。
【エミン】しています。
【パックン】でも僕らはそれで満足しない面もある。「メールはいますぐ見なきゃ」「あの番組を見なきゃ」と自分で自分を追い詰めていると思うんですよね。
【エミン】人間社会はこの50年で間違いなく良くなっている。世界的に見れば、この50年でもおそらく30億人程度が貧困から脱出している。
中国にしても人口が14億人くらいいて、経済発展によってほとんど貧困から脱出したわけです。だからいい方向には向かっているはずなんですが、一方で生物としての限界に近付きつつあって、その意味ではスローダウンすべきかもしれない。その証拠にみんな自然がいいとか言い始めているでしょ。
【パックン】僕は生活をスローダウンさせるためにも『会社四季報』は読まないです(笑)。
【エミン】情報が多すぎるからね。
【パックン】そう。もうクラクラするよ。