一方、営業職には別の視点も求められる。生命保険のトップ営業マンだった大坪勇二氏は、アプローチの回数で顧客リストを整理していたとか。

「見込み客を減らしたくない気持ちはわかりますが、顧客を適度に循環させないと、新しい運気を呼び込めない。私の場合、2回アプローチしても反応がなければ見込み客リストから外し、情報発信をするだけのリストへ移していました」

こうして不要なものを次々に捨てても、まだ残る資料はあるはず。整理上手たちは、残った資料をどう管理しているのか。

「雑誌は再入手が難しいので、バックナンバーを保管しています。そのとき、目次をコピーしてファイリング。こうすればバックナンバーを1冊ずつめくって探さなくていい」(小宮氏)

「10年前から自分が読んでおもしろかった本の要約と感想を書いていますが、最近はそれをブログにアップ。ウェブ上にあれば、著者名や書籍名で簡単に検索できます」(藤井氏)

以上、整理のテクニックを紹介してきたが、忘れてはいけないのが日々の掃除だ。前出の藤井氏はスタッフ全員で毎朝5分間のオフィス掃除を、小宮氏も同じく全員で毎朝15分の掃除を日課にしている。掃除をする場所は社長から順に選び、小宮氏はトイレを担当しているという。最後に小宮氏がこう教えてくれた。

「机を半分きれいに拭くと、残り半分の汚れがよくわかるようになります。そこを掃除すれば、また別の汚れに気づける。掃除を毎日続けることで、気づきの感性が磨かれていくのです」

物や書類の整理も、その延長線上にある。探しものの時間を撲滅する第一歩として、まず掃除を日課にすることから始めてみてはいかがだろうか。