見栄っ張りな人は、喜んでやせ我慢ができる

見栄を張ることは決して悪いことではありません。むしろ自分の潜在能力を最大限に引き出す上で、大変に役立つ力を私たちに与えてくれるのです。

女性が多い職場で働いている男性は、おそらく重い段ボール箱でもホイホイと運び、力仕事なども率先して行うでしょう。たくさんの女性の目が自分を見ていると思えば、普段なら出せない力も出せるようになるのです。

見栄っ張りな人は、見栄を張るためなら、喜んでやせ我慢ができるものなのです。

やせ我慢であろうが、我慢のひとつであることは変わりがありませんし、普段以上の努力を引き出す上での立派なモチベーションになります。

「私は見栄っ張りだ」という自覚があるのなら、それは良いことだと自分に言い聞かせてください。もっと、もっと見栄っ張りになっていいのだ、と考えるようにしたほうがいいと思います。

私は高校生のときに、数学の勉強を頑張っていましたが、その理由は数学ができる男性は他の生徒から一目置かれていたからです。見栄っ張りな私は、周囲の人たちが私のことを頭がいい人だと評価してくれるのが嬉しくて、数学の勉強を頑張ったのでした。

見栄を張る力はとても強力な意欲を引き出しますので、うまく使いましょう。

異性にモテたいという下心を持つ

見栄を張ることと似ているのですが、異性からモテたいという下心も悪くありません。異性にモテたいと思うからこそ、私たちは力を出せるのです。下心は大歓迎すべきなのです。

写真=iStock.com/Comeback Images
※写真はイメージです

オーストラリアにあるクイーンズランド大学のリチャード・ロネイは、ブリスベンにあるスケートボード場に出向き、そこにいる96人の男性に声をかけました。

声をかけるアシスタントは2人です。1人は男性で、もう1人は魅力的な女性でした(事前の顔だちの評価で7点中5.58点と高く評価された女性です)。

アシスタントの2人は、滑っている男性に声をかけ、10回の技を見せてくれるようにお願いしました。技はやさしくてもかまいませんし、練習で50パーセントしか成功していない難しい技でもかまいません、と伝えました。

その結果、女性アシスタントがお願いしたときには、男性ははりきって難しい技に果敢に挑戦することがわかりました。男性は、女性の前だと張り切るのです。

また、挑戦が終わったところでだ液を調べさせてもらったのですが、男性アシスタントがお願いしたときには、テストステロン値が212.88pmol/Lだったのに対して、女性がお願いしたときには295.95pmol/Lでした。

テストステロンは男性ホルモンの一種で、やる気を高めるホルモンなのですが、女性の前では、やる気が高まったということを示しています。