組織全体で自然とPDCAサイクルが実践される

一方、仕組み化されたPDCAサイクルがあれば、社内の有能な誰かが再現性の高いフォーマットを作成し、その基準に従って全社員が行動するだけで、PDCAサイクルが自然と回り始めます。

田尻望『いつでも、どこでも、何度でも卓越した成果をあげる 再現性の塊』(かんき出版)

このような構造が整っていれば、業務改善の質が保証され、すべての業務において展開のスピードが速まるのです。

社員数が2000人でも3000人でも、全員が決められた時間に必ず指定された会議・振り返りが実行されているという仕組みが確立されているため、組織全体の取り組みが同期し、協調的に進められるのです。

このような誰もが自然とPDCAを実践できる仕組みが多数存在していたのです。

そして、私自身も退職したあとに気づいたのですが、キーエンスではPDCAという言葉は使われていませんでした。

実際、退職後に立ち上げた研修会社でお客様に「PDCAサイクルが大事だよね」と言われたときに、PDCAの書籍を買って学んだくらいです。

そして、その本を読んで気づきました。

「あ、やってた、全部」と。

そう、私は、教育されることなく、PDCAを実践していたのです。

これが、PDCAを教育で一人ひとりに実行させることと、仕組みでPDCAを回るようにすることの違いなのです。

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